うめ屋


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 お姫様は夢をみない

「童話に出てくるお姫様は王子様と結婚すると皆めでたしめでたしで終わりますけど・・・おかしいと思いませんか?」
「何だって?」
「ですから、王子様と結婚したら後は全部うまくいく・・・なんておかしいと思うんです」
「・・・で?」
「結婚したらしたで、それ相応の悩みだって出てくるでしょうし、だいたいシンデレラなんて元は普通の娘さんでしょう?それこそ、きっと嫁、姑問題が勃発して・・・」
「ふっ、ふふ、ふあははは!」
「なんです!」
「い、いや・・・君は夢がないなあと思って」
「・・・夢も大切ですが、現実は厳しいんですっ!」
「まあ・・・そうだなあ、じゃあ君はどうしたら納得するんだい?」
「そうですね・・・少なくとも王子様と結婚したら人生のゴールという考え方は気に入りません」
「君らしいな・・・。じゃあこんなのはどうだい?シンデレラは王子様と結婚しました。その後王様になった王子様を補佐し、毎日大変ながらも充実した人生を過ごしましたとさ」
「・・・それなら。まだましかもしれません。あ、でも」
「でも?」
「やはり嫁・姑問題には触れておいた方がよりしっくり来ると思います」
「・・・そこにはこだわるんだな。まあでも、君には縁がない事だけどな」
「何がです?」
「嫁・姑問題。君、マダムと仲良いもんな」
「なっ!どうしてマダムが出て来るんですっ」
「え?だって私の義母な訳だから、やっぱりマダムが姑・・・」
「だからっ、どうして私が大佐の嫁って前提になってるんですか!!」
「え?当然だろ?」
「・・・もう、良いです」


 メガネ属性

サイドテーブルに置いていた眼鏡をかけて、読みかけだった錬金術書に目を落としたところで、玄関の扉が軽くノックされた。
いつもなら良い所で邪魔が入ったと機嫌を悪くするところだが、私は素早く本を置くと立ち上がった。
控え目にノックを3回。これは彼女――ホークアイ中尉の癖だからだ。
扉を開けると案の定、彼女が立っていた。
今日は訪問の予定は無かったはずだが。
嬉しいサプライズに喜んだのも束の間、彼女は今日非番だった私に至急サインが必要な書類を持ってきただけだった。
内心がっくりしながらも私は彼女を部屋に招き入れる。すぐにサインするから座って待っている様に言うと彼女は素直にソファに座った。
――珍しい。
普段の彼女なら玄関で立って待つと主張していただろうに。
彼女らしからぬ様子に戸惑いながらも、私は素早く書類に目を通して、確認をするとサインをする。
その間中、ずっと彼女は私をジッと見ていた。
――落ち着かない。
ちらりと視線を向けると、彼女は慌てて視線を逸らす。ほんのりと顔が紅い。
――可愛いじゃないか。
ポツンと身体の奥に火が灯ったのを自覚する。
――帰したくないな。
サイン済みの書類を渡すと、彼女はすぐに立ち上がって玄関へと向かおうとする。
そんな彼女の腕を掴み、
「今日、泊まっていかないか?」
ダメ元で誘い文句を口にする。
今日はプライベートでの訪問ではない。あくまでも仕事だ。公私のケジメをつけたがる彼女の事だから、てっきりつっぱねられると思っていたが、意外にも彼女はあっさりと頷いた。
――今日はやけに素直だな・・・。
疑問は残ったが、私は彼女を抱き寄せると、かけていた眼鏡を外してからそっと唇に顔を寄せていった。

事を終えて、2人ベッドの上で寄り添っていると、彼女が思い出した様にポツリと言った。
「・・・眼鏡・・・外さなくて良かったのに」
「え」
・・・リザちゃん?


 説得

「君が軍服の下には、味もそっけもない下着を身に着けていると私はずっと知らなかった。何故なら君は、私と夜を共にする時は女性らしいかわいらしいレースの下着をいつも身に着けていたからな。何となく普段から君はあーいうかわいらしいのが好みで、私は時々軍服の下を想像しては悦に入って・・・ウホォン。話を元に戻そう。知ったのは偶然だった。別に軍務中に押し倒した訳ではないからな。いくら私でもそれくらいの分別くらいはある。・・・なんだ、その目は。まあ、いい。そう、あれは致し方ない事であって、決して私がスケベ心を出した訳ではない。断じてない!強調するところがかえって怪しい?そっそんな事はないっ。と、とにかくっ。任務中に君が怪我をした事があったろう?そう、あの時の事だ。太股に傷を負った君の手当てをしたのは何を隠そうこの私だ。何?覚えがないだと?それは当たり前だ。君はその時、意識を失っていたからな。あの時はそばには私しかいなかったし、事は一刻を争った。何しろ君の美しい太ももに傷でも残ってはそれこそ人類の損失――私は致し方なく君の手当てを行なったのだよ。・・・信じたまえ。その時にだ、治療のためにその・・・ズボンを・・・ぬ、脱がせたらな、その・・・必然的に君の下着がね?目に入ってだね。なんだね、その変質者を見る様な目は。心外だ。あれはあくまで緊急的な処置であって、やましい気持ちはこれっぽっちもなかった。・・・本当だ。で、だ。その時に初めて私は君がいつもあの可愛いらしい下着を身に着けている訳ではないと知ったのだよ。まあ、あれはあれでシンプルで何の飾り気もないところが逆にそそるというか・・・素っ気無い中にも妙に色気があって良いのだかね?むしろたまには新鮮で良い・・・まあ、いい。そうではなくてだな・・・何が言いたいのかと言うと、君があの可愛いらしい下着を身に着けているのは私と過ごす時のためなのだろう?つまりだっ。私に可愛い下着を見せたい見て貰いたいからと理解して良い。言い換えるなら、私を喜ばせるために可愛い下着を身に着けると言う事だ。ならば、だ。ここは一つ私の意見を取り入れてくれても良いんじゃないかと思ってね。いや、むしろ取り入れるべきだ。それが2人の関係をより良い方向へと導く第一歩となるだろうし、お互いをより理解し合えるはずだ。さあ!リザ。遠慮する事ない。この下着を身に着けて、私に見せておくれ!!」
「・・・・・」
私は大佐がキラキラした瞳で持ってきたもう、布なのかヒモなのか良く分からない代物を見やって深い深いため息をついたのだった。




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by netzeth | 2010-12-17 21:11 | Comments(0)