うめ屋


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by netzeth
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どこ?

「大佐は私の何処が好きなんですか。顔ですか? 身体ですか?」
「なんだね、やぶからぼうに」
「いえ、別に。少し気になったものですから」
「……だとしても、顔だの身体だのずいぶんと即物的過ぎやしないかね。それじゃあ私が君の身体目当てみたいじゃないか」
「違うんですか?」
「違う!! 一体君は私を何だと……まあ、良い。…確かに、君の外見も私はとても気に入っているが……そのしなやかな金色の髪も、澄んだ鳶色の大きな瞳も、ボリュームのある胸も、スベスベモチモチ頬擦りすると気持ち良い正に芸術的、神の領域の絶品太ももも……」
「……やっぱり身体が大好きなんじゃないですか……」
「だが! もちろんそれだけじゃあ無いぞ。君の太ももは素晴らしいが、私が君に惹かれたのは決して外見だけではない」
「へえ……」
「あ、なんだそのあれだけ太ももを絶賛した後じゃあ説得力皆無ですねとも言いたげな胡乱な目は。本当だぞ?」
「具体的には?」
「そうだなあ…私の役に立ちたくて頑張り屋なとことか私の事大好きな癖に素直に認められなくてちょっとツンデレ入ってる所とか、でも時々油断して本音がポロッと出ちゃうとことか。私がこの前贈ったピアスも本当は嬉しいのに照れ隠しに可愛いくない口をきくとことか……いてっ!」
「自惚れるのもいい加減にして下さい!!」
「いてて! こら殴るな! だから、そーいうとこが好きなんだって」


どこ?2

「なあ、君は私のどこが好きかね?」
「なんですか、突然」
「まあ、良いじゃないか、気になるんだよ。……で、何処が好きなんだ? 顔か? それとも身体とか?」
「……顔や身体が好きだと言われて嬉しいんですか?」
「嬉しいとも!!」
「……そうですか」
「で? どうなんだ? ん?」
「……そんな事急に言われても……すぐには…外見も嫌いではないですけど…」
「なんだ。照れてるのか? ほら、よく考えてみたまえ。いろいろあるだろう、いろいろ」
「そんな……あっ」
「お! 思い付いたかね!?」
「はい」
「言ってみたまえ!」
「……いざという時にしか役に立たない所?」
「君……本当に私の事好きか?」
「好きですよ、何か?」


素直なあなた

部屋の扉を開けると、すぐに良い子にお留守番をしていた愛犬が踊る様に飛び付いてきた。
千切れんばかりに尻尾を振り、小さな身体を精一杯主人に押し付けるその姿は全身で喜びを表していて。リザは自然と笑みをこぼす。しゃがみ込んで頭を、体を撫でてやるとキュウキュウと鼻を鳴らして更に喜ぶ可愛い子犬。その姿はリザの心を癒すと共にある感情を呼び起こした。
「良いわね、貴方はそんなに素直で……」
「く~ん?」
どうしたの? と言わんばかりに見上げてくる賢い子犬を微笑んで見やって、リザは軍部からの退勤時の出来事を思い浮かべた。
今夜行くからと言ってきた彼。本当は嬉しかった癖につい「そんな暇あったら少しでも仕事を進めて下さい」なんて可愛くない口の聞き方をしてしまった、自分。
……きっと彼は今夜うちには来ないだろう。もっと素直で可愛い女など他に沢山いる。こんなに可愛げの無い女の元にわざわざ来る必要など無い。
「貴方みたいに私も素直になれたら……」
子犬の黒毛を誰かさんと重ね合わせて、リザはその毛を丁寧に梳いた。
――素直に嬉しい、大好きと感情表現が出来たなら。
「無理……ね」
苦笑を浮かべて、リザは首を振った。
そんな自分は想像すら出来なかった。
……生まれついての性格はどうにもならない。
「く~ん……」
主人の感情を読んだのか、子犬が近寄ってきてリザの頬をペロリと舐めた。
「ふふ、何でも無いのよ、ハヤテ号。……お前は優しい子ね」
小さな身体を抱き上げて、リザは立ち上がった。ずいぶんとこんな玄関先で時間をつぶしてしまった様だ。さて気分を変えるために部屋着に着替えようとしたところで。まだ施錠していなかった扉がリザの後ろでガチャリと開いた。
振り返ると来るはずも無い人物が立っていて、
「中尉? なんだ、こんな玄関先でぼーっとして」
「大佐……? どうして……」
「どうしてって……今夜行くって言ったじゃないか。……ちゃんと仕事もしてきたぞ。あれだけやれば君も文句は言えまい。あーあ、フルスピードで終わらせたからな。腹が減ったよ、今日の夕食は何だ?」
まるで当然の様にそんな事を言うから。
「もうっ、何、図々しい事を言っているんですかっ」
「良いだろう? 私は君の手料理が大好きなんだ」
「そんな事言っておだて立って、何にも出ませんから!」
リザはまた可愛くない口を聞いてしまう自分を自覚していた。
けれども。
その口元には隠しきれない嬉しげな微笑みが浮かんでいて。
ロイとリザは言い合いを続けながらも仲良く部屋へと入っていったのだった。



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by netzeth | 2012-02-28 01:38 | Comments(0)