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真夏の攻防戦

※下ネタ入ってます。お嫌いな方はブラウザバックお願いします。



「近頃暑くて眠れない夜が多くてな……」
「はあ。それはご愁傷様です」
暑い暑い夏の日の午後。仕事がひと段落した時間帯を見計らってそんな事を言い出した上司。リザは書類からは目を離さずにとりあえず適当な返事を返した。自分は今、ようやく上がった書類のチェックに忙しいのだ。そしてこれが済めばまた次の書類。後がつかえているのだから、今、ロイとくだらないおしゃべりなどしている暇などない。第一、こういう時にロイが言い出す事といえば下らない事に決まっている。これでも長い付き合いである。経験上リザは嫌と言うほどそれを知っていた。
「だから今夜あたりはいっそ裸で寝てみようかと思っているのだが」
「ソウデスカ」
だから多少返答が棒読みになってしまった気がしたが、リザは露ほども気にはしなかった。相手をしないに限る。
「だが一つ問題があってな」
「ハイハイ」
「やはり男一人で裸で寝る…というのはどうにもむなしいというか……私にも男の矜持ってやつがあってね」
「ハイハイ」
「……という訳で。君も一緒に裸で寝てくれないか?」
「イヤデス」
「……なんだ、ちゃんと聞いているんじゃないか」
そう残念そうに言うロイの顔をようやくリザは顔を上げて見た。口調の割にはその顔つきはちっとも残念そうではない。
「あら。私が敬愛する上司の言葉を聞き流しているとでも?」
「いやいや。君は優秀な副官だ。ちゃんと聞いていると思っていたとも。で、どうなんだ? その優秀な副官殿が上司の頼みを断るのかい?」
「……セクハラですよ、大佐」
「何を今更」
私と君の仲じゃないか。
今は仕事中だと睨みつけたが、そんな事目の前の上司兼恋人は一向に気にしていない。
「仕事とプライヴェートはきっちり分けるのが出来る男なのではないんですか?」
「もちろん、そうさ。で、私がしているのは仕事の話だよ」
「……裸で一緒に寝る話がですか?」
「そうだ。言ったろう? 眠れない夜が多い、と。……寝不足が続けば仕事に響く。だからこれは仕事のはなし」
「…………」
ロイの屁理屈にリザは呆れる。なんだかんだと理屈をこねる事が得意な男ではあるが、今回のは強引にも程がある。
「どうしたね? 上司の体調にまで気を配るのが副官としての努めではないのかね? ……それこそ出来る女の姿ってやつだろう?」
小憎らしい笑みを浮かべてそんな事を言うロイにリザは瞳にこれ以上ないくらいの殺気を込めた。それでも彼は簡単にそれを受け流していて、埒があかない。
「……では私からお聞きします。大佐は本当に裸で寝ればこの暑さでもぐっすりと熟睡できるとお考えなのですか?」
「もちろん」
あーー君が一緒に裸で寝てくれればの話だが。と余計な一言を付け加えるのも忘れない。
「……分かりました」
一歩も引かないロイに遂にリザは折れた。ここで問答している間にも時間は刻一刻と過ぎていくのだ。……書類はまだまだ山の様にあるのである。
「ここにある書類をすべて片づけて頂けたならば、その要請受けましょう」
「本当か!?」
色めきたつロイにリザは無表情に頷くと、ただし、と続けた。
「……ただし、一緒に寝るだけです。し・な・い・事が、条件です」
「んな!?」
それじゃあ意味ないじゃないか! とおもいっきり不服そうなロイにリザは冷淡な視線を送る。
「何故です? 大佐はお一人で裸になられるのが嫌。私と一緒なら大丈夫。そして裸ならばぐっすり眠れ、仕事にも影響なし。これで万事解決、です」
全部条件を満たしています。ご自分でおっしゃった事でしょう?
――リザとしてはこれ以上ない譲歩案である。
「…………」
リザの言葉にロイは沈黙する。しばらく真剣に何かを考えこんでいるようだったが、やがて彼はおもむろに口を開いた。
「……しない、というのは厳密に言うとどこまで、だ?」
「は?」
一瞬リザはぽかんとしてしまう。ロイが突然なにを言い出したのかとっさに理解できなかった。
「……君の言う「する」にあたいする行為が何処までかというのが問題だと思うんだ。「する」という事はつまり「挿れる」という行為な訳だろう?」
「な…」
まだ日が高い、しかも軍部の執務室でする会話とは到底思えず、リザは絶句する。
「よって挿れなければいいとしたら……舐めるのはOKという事だよな?」
「な、何をバカな事をおっしゃっているんですか! そんなのダメです! 舐めるのもダメ!!」
「むう……では、吸うのはいいだろう?」
「吸うのもダメです!! 何ですか、そのバナナはおやつに入るんですか的な言い方!」
「なんだ。じゃあ、頬ずりは?」
「ダメです! もうっ、全部ダメ!!」
「むう……じゃあ、私は一体どうしたら良いんだ? せっかく君が隣で裸で寝ているというのに私には何もするな、というのか?」
「……最初からそう言っています」
「むう……」
ようやく黙ってくれたロイにリザは疲労感で一杯だった。もう頭痛がしそうだ。なんでこのしつこいまでの情熱を仕事に向けてくれないのか。
「とにかく、私がお約束できるのは先ほど申し上げた事まで、です。それもちゃんとこの書類を終わらせたらの話ですからね」
出来なかったらこのお話は無かった事に。
そう言い置くと、リザは部屋の出入り口へと向かった。少し頭を冷やしたい。ロイの相手をしていては自分が暑さにやられてしまいそうである。
「なあ」
「なんです?」
呼び止められて、リザは振り返った。
「私は何もしてはいけないという事は……君がするのは良いんだよな?」
「…………」
黙れ。とリザが敬愛する上司に言ったか言わなかったかは定かではない。




END
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by netzeth | 2012-07-26 23:04 | Comments(2)
Commented at 2012-08-02 19:49 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by うめこ(管理人) at 2012-08-02 23:08 x
>長月15様

こんばんは♪コメントありがとうございます(^^)
SSお読み頂き嬉しいです。増田はダメなところがリザたんの母性本能をくすぐるのではないでしょうかvいつもはダメダメでたま~に有能だったりするところが魅力なのかもしれませんね(笑)

通販の件、ご報告頂きありがとうございます。そして大変申し訳ありません!私の方もちょっと原因が分からないのですが、使っているメールフォームに問題があるのかもしれません。次の時までに要改良でございますね、ご迷惑をおかけいたしました<(_ _)>
そして本は夏コミで…との事、大変ありがたいです!少しでも長月15様にお楽しみ頂ければいいなと思います☆
それでは~。