うめ屋


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by netzeth
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ベッドを共にしたその翌日の朝。
いつも目覚めるのは彼女が先だった。たまにはリザよりも早く起きて彼女にお目覚めのキスの一つも送りたい……そんな事を考えながら、ロイは身支度をするリザへと視線を送る。
彼女はベッドの淵に腰掛けて、ロイに背中を向けていた。その白い背には赤い錬成陣と傷跡。それは未だに禍々しい姿でそこに存在するが。しかしこの早朝の一時彼の視線を奪っていたのはそれではなく、手を後ろに回して下着を身につけるリザの仕草だった。
ロイは常々リザのその仕草を色っぽいと思っていた。
ショーツを脱ぎ捨てる時の脚から抜く瞬間、あれに匹敵する――なんてうんうんと内心頷いて、ロイは彼女へと視線を戻した。
リザはベッド下に放り投げられていたブラジャーを拾い上げると、それを身につけようとしている。
「……それ、やらせてくれ」
「え?」
声をかけると、弾かれた様にリザが振り向いた。己の無防備な姿をロイが見ているとは思っていなかったのだろう。その顔は少し紅潮していた。
「……起きているなら、起きているとおっしゃって下さい。……心臓に悪いです」
「うん。おはよう」
リザの苦情を朝の挨拶で笑って受け流して、ロイは体を起こした。朝の光の中にロイの上半身が晒される。当然何も身につけていないので、言うまでもなく裸である。恥じらったようにリザがさりげなく視線を逸らした。
もう何度となく夜を越えてきた仲であるのに、彼女はいつまで経っても乙女のように初である。それが愛おしくて、その滑らかな頬にキスを落とそうとロイはリザに近づく。
「もうっ、早く服を着て下さい」
しかし、唇が届く前に彼女の手で遮られてしまった。
それを残念に思いつつも、それならばとロイは話題を蒸し返す。
「なら、まずは君からだな。……それ、やらせてくれ」
後ろから素早く腕を回しリベンジに首筋にキスをしてから、リザの手の中にあった下着を奪う。ロイの唇の感触に気を取られていた彼女は、あっさりとそれを彼に明け渡した。
「ちょ…何を……」
「うん? だから、付けてみたいんだよ。男には必要ないものだからね? 一度やってみたかったんだ」
振り返って抗議の声を上げたリザに、にっと笑ってロイは手に持ったブラジャーを掲げて見せる。そんな無邪気な男の様子にリザは早々に抵抗を諦めた様だった。
「もう……別にそんな面白いものではないと思いますけどね……」
「まあまあ、良いじゃないか。面白いか、そうで無いかはやってみてから判断するから」
そう言って、ロイはさっさとそれを手にした。
まずはいつも彼女がしているように肩紐を腕に通してやる。
すると、前で胸がカップにうまく収まっていないらしく後ろでホックが噛みわない。そうか、まずは前からか。なんて納得しながらロイは前に手を回してリザの乳房を持ち上げた。
「ひゃっ!」
小さく可愛らしい悲鳴を上げてふるりと震えたリザだったが、ロイは涼しい顔でその行為を続けた。カップの中に豊かなそれが収まるようにぐいぐいと押し込んでやる。今気づいたことだが、リザは少し小さめのサイズのブラジャーを使用しているようだ。カップの中に豊かな胸を押し込めるようにしないと入らない。これは早急に彼女に合うサイズの下着を付けさせなければならないな…なんて思案しつつ、ロイはその作業を終えた。どうやら胸はすっぽりと収まったようだ。そして再びベルトを引っ張って、背中に持って行く。今度はホック部分がうまく噛み合った。
「よし」
そのままホックをはめようとして。しかし、なかなかそれは上手く出来なかった。思ったよりもホック部分が小さいせいでもある。男の無骨な指にはそれは小さ過ぎるのだ。加えてロイは相当に不器用である。
「うん…? あれ…くっ、くそ……とうっ」
「ちょ…大佐…いい加減に……きゃあっ」
外すのなら上手く出来るんだけどな…なんて考えつつもカチカチとホックと苦戦する。ベルトを引っ張る度にリザが困ったように上げる悲鳴も聞き流して、数分が経った頃。ようやくロイはブラジャーのホックを付ける事に成功していた。
「ふう……これで終わりか」
リザの背中を眺めて、ロイは満足げに己の仕事を見聞した。
姿勢良く伸びた彼女の背中に下着がぴったりとはまっている。滑らかな背筋の線と交差するその黒いベルト部分が妙に淫らに見えた。
(……ぬかった。計算外だ)
白い背中に走る、黒いブラのベルトを見やりつつロイは心中で呟く。
――付けたら今度は外したくなる。そんな万物の真理に今頃気づくとは。
「あの…大佐? もう、よろしいですか?」
だから心なしか疲れた様なリザの声を聞きながら、ロイは返答した。
「いや、まだだ」
「え……? だって、もう付け終わったのでしょう? 満足なさったのでは…?」
「いや。……まだ、満足していない」
言うやいなや、ロイは己の仕事の成果をあっさりとご破算にする。そう、ブラのホックを外してしまったのだ。
「た、大佐!?……何を…」
自分で付けたそれを昨夜と同じように床に放り捨ててしまってから、ロイはリザをベッドに引き込んだ。寝床に逆戻りしてしまった彼女は抗議の声を上げ抵抗を見せるが、そんなものはお構いなしにロイはリザを組み敷く。上からその顔を見下ろしてニヤリと笑みを浮かべると、リザはロイの意図を察して諦めたように言った。
「だから……嫌だったんですよ……」
貴方に下着を身につけて貰うなんて。だってそれだけで我慢できるはずがない……。そんな風にリザがもごもごと言うが、それは全て後の祭り。
ロイは彼女の言葉を聞かないフリをすると、素早くその口を己のそれで塞いでしまったのだった。





END
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by netzeth | 2013-05-13 00:35 | Comments(0)