うめ屋


ロイアイメインのテキストサイト 
by netzeth
プロフィールを見る
画像一覧

ハッカ油

殺人的暑さだった土日に比べて今日は涼しかったです。暑いと早起きになりますが、快適だと寝すぎてしまいます。寝坊しました。

最近虫除けにハッカ油を扇風機にちょいと垂らして風で拡散しているのですが。うっかり顔に飛んできまして、顔が大変な事になりました。すーすーする(笑) これ体につけるととんでもなく涼しくなるんじゃないの?と思いましてぐぐって見たら、やってみた人のツイートを拾いました。何でもかつて体験したことの無い寒さに襲われるだそうです。ちょっと試すには勇気がいりますね。


拍手ありがとうございます(*^_^*)

以下SSを書きましたので、よろしければどうぞ。そんなに長くないのでこちらに。ところで日記にUPするのはお手軽で良いのですけど、埋まってしまうと行方不明になります(笑)自分でも過去に何を書いたかよく分からなくなるので、ちゃんと掘り起こして小説ページに置こうかなあ。





「お帰り下さいっ」
ドアをノックして待つことしばし。誰何の声に己の来訪を告げた途端に返ってきたのはとても恋人に告げるとは思えぬ、無情な言葉だった。
「どうしてだね。せっかく来たというのに、中にも入れて貰えず門前払いとは酷すぎないか?」
「…………私の気持ちなどお分かりでしょう?」
「分かっているさ。だから、分かった上で言おう。……はい、そうですかと私も帰る訳にはいかないね」
ドアを開けて貰えぬならば少々乱暴な手を使ってでも押し入るぞ。そんな物騒な言葉を放つロイに抵抗を諦めたのか、扉の向こうから施錠を解除する音が聞こえてくる。
「きゃん!」
そして、扉が開くと同時に飛び出して来たのは彼女の小さな家族だった。忙しなく尻尾を振ってロイに飛びかかり、その足下に纏わりつく。
「こらっ、ハヤテ号。お前の相手は後でだ。それよりも……中尉を……」
興奮する子犬を落ち着かせて胸に抱き上げて恋人の部屋の玄関先に入り込めば、いつの間にかリザの姿は消えていた。どうやらハヤテ号をロイにけしかけている間に、素早く寝室に閉じこもってしまったようだ。
彼女の狙い通りになってしまった事に苦笑しながらも、ロイは持っていた荷物とハヤテ号をリビングのソファーに置くと、リザを追いかけて寝室へと続く扉へと歩く。そしてドアの前に立って勝手知ったるそれを開けようとしたところで。
「……ダメです。入らないで下さい」
またストップをかけられて、ロイは苦笑を深めた。
「どうしてだね? もう、部屋にまで入ってしまったのだから今更だろう?」
「……それでも、ここに入られるよりはマシです」
あくまでも強情なリザはガンとしてロイを自分に近づけまいとしている。その理由が分かるだけに、ロイもそれ以上強引になれずふうっとため息を吐いた。
「……そんなに私に風邪を移すのが嫌かね?」
「ただの風邪ではないんです。今年の風邪は質が悪くて、感染力も強いとお医者様がおっしゃっていました。ですから、私の事などご心配なく。……速やかにお帰り下さい」
「そうはいくか。私が帰ったら、誰が君の看病をするのかね?」
「……ハヤテ号がいます」
「ほう? ハヤテがご飯の支度したり薬を用意したり熱冷ましの冷たいタオルを用意してくれたりするのかね?」
「…………」
沈黙は降参の証だろうか。ロイに心配する事も看病する事も許してくれないツレナい恋人。だが、ロイだって引き下がる気はない。恋人が病気で苦しんでいる時こそ、そばにいてやりたいと思うのが男心だ。……きっとリザの事だロイに風邪を移して仕事が滞ってしまう事を心配しているのだろうが。
「中尉?」
しかしあまりにもその沈黙が長い事に気づき、ロイは慌てて寝室のドアを開けた。鍵などないのであっさりとそれは開く。そのまま中に入れば、ドア付近でリザがへたり込んでいるのが目に入り、ロイは大いに焦った。
顔を赤くして苦しそうにリザが呼吸している。ロイの姿を認めて立ち上がろうとした彼女だが、そんな力など残っていないのだろう。膝に力が入らず、リザはその場にくずれ落ちた。
「中尉!」
リザのそばに膝を付くと、ロイは素早く彼女を抱き上げてベッドへと運んだ。間近で感じた体温はひどく熱く、具合がよろしくない事をロイに教える。
「……まったく、君は。私を気遣う暇があったら、もう少し自分の心配をしろ」
ベッドに寝かせて毛布を上からかけようとすれば、しかしリザはそれに抗うように上半身を起こした。
「私はっ……平気…ですから、ですから、大佐。貴方は早く、お帰り下さい……っ」
あくまでもリザはロイを病身の自分から遠ざけたいようだ。この期に及んでまだ言うのか。とロイはその見上げた精神力に感心しつつも、少しだけ苛つきを覚えた。恋人同士という間柄でも弱みを見せようとせず、ロイに頼ろうともせず、あくまでもロイの心配をして自分は二の次なリザ。……そんな彼女が愛おしくも憎らしい。
「風邪が移ってしまう前に……お早く……」
「黙りたまえ」
だから、そのうるさい事ばかり言う口を塞いでしまえとロイはリザの背を引き寄せると唇を奪った。
「いい加減にしないと襲うぞ?」
「……もう、襲っているじゃあないですか……」
強行手段の甲斐はあったようで、反論は弱々しかった。彼女の頬が赤く染まっているのはきっと風邪だけのせいではない。
「バカを言え。私が襲うと言うのは、こんなもんじゃない。もっと激しい運動をするという話だよ。……今の君にそんな事を強いるのは忍びない。だからもう、観念して私に懇切丁寧に看病されたまえ。……ちゃんと風邪っぴきに良い料理を作ってやるから」
ロイの優しい脅迫に、リザはとうとう屈する。
「……もう、本当に風邪が移ってしまっても、知りませんからね……」
「その時は、君が懇切丁寧に私を看病してくれたまえ」
くてんとリザの体から力が抜けて、彼女は大人しくベッドに横になる。ようやく素直になった恋人に微笑みかけて、ロイはゆっくりとその髪を撫でてやったのだった。
[PR]
by netzeth | 2014-07-29 02:10 | 日記 | Comments(0)