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君に贈る

身体を鍛えるために腕立て伏せをしよう!と思い立ちやってみたものの、3回で挫折しましたうめこですこんばんはー。それが昨日の話なのですが、なんとそのたった3回で二の腕が筋肉痛になったとさ。……どんだけなまってるねん。

さて、サイトに載せてなかったペーパーのSSやら、過去に日記に載せてた小ネタやらSSやら発掘しましてまとめたものを自分の備忘録用にとUPしてみました。本当は全部ひとまとめにしようと思ったのですが、文字数がオーバーしてしまうので最近の女の喧嘩だけ単独で。ので、全て初出はありません。再録みたいなものですかね?

昨夜またしてもカメムシに襲われました。奴らの侵入を防ぐにはどうしたら良いのでしょう。入りそうなとこなんて、ないのになあ。いつの間にかどこかに超大型巨人に穴でも開けられたの?私の部屋。


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以下SSを書きましたので、よろしければどうぞ~。日常系のお話です。





両手の積載重量が限界を迎えようとした所でそろそろ帰ろうかしら、とリザは考えた。日頃鍛えているおかげか安くなっていた日用品を持てるだけ買いだめ出来た事だし、非番の買い出し成果としてはこれで上々だろう。
肩に大きなトートバッグ。両手にビニールの袋と紙袋。そんなスタイルで颯爽とイーストシティの並木道を闊歩していたリザは、とある店の前でふと足を止める。そこは可愛らしい雑貨屋の店先だった。セール品と札が付けられたワゴンに、犬や猫と言った動物のキャラクターが描かれた小物が置かれている。
「可愛いわね……」
その中に愛犬そっくりの黒い犬のキャラクターがプリントされている小物類を見つけて、リザは思わずそれらに目を奪われた。思わず欲しいと衝動買いしたい気分になって、すぐにいけないと首を振る。
「ダメダメ、不必要な物は買わないの。……街は誘惑が多くていけないわね……」
「誘惑とは何かね?」
突然真横からかけられた声に驚き隣を見ると、見慣れたブルーの軍服が目に写る。
「大佐。こんな所で何をしておいでで?」
咎める口調になってしまうのは、今が真っ昼間で彼の勤務時間帯に当たるからだ。
「……サボっている訳じゃないぞ。今は昼休憩中。ちょっとそこのカフェまで出てきて昼食を取った所だ」
リザの胡乱な目つきに、ロイは言い訳するように言葉を重ねた。確かに、ここは司令部からそれほど離れてはいない区画であるが。
「……では、軍服姿で出歩いてないでさっさと戻って下さい」
「いいじゃないか。少しくらい」
堅いことを言うな、と軽い調子で言ったロイはリザが何か言う前にさっさとその視線を彼女が見ていたワゴンセール品へと移してしまった。
「やはり、女性はこういった可愛らしいものを好むものかね」
ハヤテ号そのままの黒犬がプリントされたマグカップを手にとって、ロイが尋ねてくる。
「さあ……どうでしょうか」
いい歳をした女が欲しがるものとしては些か可愛らしすぎるそれを、己が欲しがっていた――とロイに知られるのは気恥ずかしい気がして、リザは曖昧な返答で誤魔化した。普段の自分からはあまりにもイメージが違いすぎて、きっとロイに笑われてしまいそうだ。
「ふむ……では、一体どういったものをプレゼントすれば女性は喜んでくれると思うかね? 実はプレゼントを買おうと思っているんだが、何を買えば良いのか悩んでいてね」
「大佐が……ですか?」
女性に対してはマメで無駄に理解が深いこの男でも、贈り物に悩む――などという事があるのだな、とリザは意外に思う。
「貴方がお悩みになるなんて、よほど好みが難しい方なんですね」
思わずそう指摘すれば、ロイは苦笑を漏らした。
「そうだな。私がこれまで蓄積した知識などまったく役に立たない様な相手なんだ。そこで、ぜひ君の意見を聞きたいのだが。君だったら何を贈られたら嬉しいと思うかね? 私はアクセサリーなんか良いと思ってね、少し見ていたのだが……」
言いながらロイは隣の店を顎で指し示した。確かに雑貨屋の隣にはアクセサリーショップがある。そこでプレゼントを物色している最中に、偶然リザを見かけて声をかけてきたという訳か。
「ほら、あの指輪なんか可愛くて良いんじゃないかと思うんだが」
ロイが指さすのは隣の店のウィンドウに飾られた指輪。よく見れば、それは小さなルビーが繊細な意匠が施された台座にはまった可愛らしいものだ。だが、絶対に値が張るに違いないとリザは判断する。
「……大佐。貴方は全然分かっていません。プレイボーイが聞いて呆れてしまいますね」
「何だ、ダメか?」
「全然ダメです」
大きく首を振り、リザは即ダメ出しした。
「察するに、そのお相手にプレゼントを贈るのは初めてなのでしょう? その初めてのプレゼントにあのような如何にも高そうな物を贈っては、お相手の方が萎縮してしまいますよ」
もしも自分が贈られたならば、きっとこの指輪で一体何食分の食費が出るだろうかとか水道光熱費何ヶ月分だろうかとか、即座に計算してしまうだろう。そんな指輪、無くすのが怖くて身につけるのも躊躇ってしまう。相手が高級品に慣れたお嬢様とかならばまた条件は違ってくるだろうが、リザに訊くということは相手はもっと一般的な感覚の女性に違いないと決めつけてリザは意見する。
「そうか……あの指輪はダメか……。じゃあ、隣のペンダントはどうだろう?」
「……大佐、私の話聞いてましたか? あれもダメです。指輪よりも大きな石がついてるじゃありませんか」
「いや、あれはルビーよりも価値が低い石だから、指輪よりも価格は下だぞ?」
「そういう問題じゃあありません。実際の値段ではなく、ぱっと見で高そうなものはお勧めしないと言っているんです。そうですね、あくまでもアクセサリーにこだわるのならばあのような専門店ではなく、路上で売っているようなもっとチープな……というと言葉は悪いですが、お手頃価格なものが良いと思います」
「アクセサリーで安物を贈るのは私が嫌だな……仕方ない。アクセサリーは受け取って貰える様になるまで我慢するか……」
ぼやく様に言ったロイは、ではと言葉を続けた。
「アクセサリー以外だったら、一体何が良いと思うかね?」
「そうですね……」
とリザは言葉を切って考える。すぐに目に入って来たのは、目の前の雑貨屋だ。
「こういう雑貨屋で、ちょっとセンスの良い小物や可愛らしい小物……まずはそう言ったものを贈ってはいかがでしょう?」
「なるほど。だがなあ……女性の言う可愛いの感性が私にはよく分からないんだ。彼女達は何にでも可愛いって言わないか?」
困った様に頭を掻くロイに、リザも確かにと吹き出しそうになる。
「この前、アームストロング少佐に対しても事務方の女性陣は可愛いって言っていたしな……あれのどこが可愛いんだ?」
「髪型がとあるキャラクターにそっくりで可愛いんだそうですよ」
「ふーん、キャラクターねえ……」
そう言ったロイは手に持ったマグカップをちらりと見て。
「ならばこういうキャラクター物の小物なんて、どうだろう? もし、君が貰ったら嬉しいか?」
「私でしたら……」
と、リザはロイの手にあるマグカップに視線を止めた。ハヤテ号そっくりの子犬がこちらを見ているそれは、とっても可愛らしい。本音を言えば喉から手が出るほどに欲しい。欲しいが、やはりそれをロイに表明するのは恥ずかしい。だが、どうせ贈られるのは自分では無いのだからと自分に言い訳して、リザは正直な気持ちを言う事にした。
「嬉しいと思います。……私は犬が好きなので。お相手の方も愛犬家ならば、きっと喜んで貰えるのではないでしょうか」
「そうか。参考になった、ありがとう」
リザの答えに頷いたロイは、止める間もなくにワゴンの中にあったその犬のキャラクターの付いた小物類を買い占めてしまう。その戦利品を手にし、満足げな顔をしてロイは司令部に戻っていった。
その背を見送ってリザは思う。
あれを受け取った女性はきっと喜ぶだろう。女は可愛いものが好きだから。そして、ロイも贈るプレゼントに悩む様な、大切な相手を喜ばせる事が出来て嬉しいだろう。二人の仲がどういうものなのかは知らないが、きっとその後その距離は縮まり、仲は進展するに違いない。
しかし、リザの気持ちは少々複雑だった。
リザはプレゼントを受け取る女性が、ちょっぴり。いや、とても羨ましくなってしまったのだ。あの犬のキャラクターの小物が欲しくて羨ましいのか、それとも、ロイからプレゼントを貰えるのが羨ましいのか。自分でもよく分からなかったけれど。
「いいな……」
思わずぽつりと呟いて、リザは未練を吹っ切るように首を振ると買い物袋を持ち直して帰宅を急ぐのだった。


その夜、大量の犬キャラクターグッズを持ってロイがリザの部屋を訪れ、そして、今日が自分の誕生日だった事にリザは気がつくのだが。それはもう少しだけ未来の話である。
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by netzeth | 2014-07-31 00:58 | 日記 | Comments(0)