うめ屋


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by netzeth
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がんがった

頑張って早起きしてウォーキングをしてきました!海沿いを水平線見ながら朝日を浴び歩くのはとても健康的だった。頭のぼーっとしたのもずいぶんよくなりましたしね。でも、夜になるとまた復活してきたので、やっぱり疲れ目が原因かな。
でも、母上は絶対一日坊主だ!とうめこをたいそう舐めてる発言をしてくれたので、悔しいから明日も頑張りたいと思いますww

拍手ありがとうございます(^^)
以下↓SS書きましたので、よろしければどぞ。(そのうち収納します)





十二月に入り今年も残り僅か。とうとう最後の一枚となったカレンダーを眺めて、リザは時の流れの速さを感慨深く思う。
真新しいカレンダーを購入したのが、つい昨日のように思えるというのに。本当に一年などあっという間だ。
さあ、そろそろ来年のカレンダーを用意せねばならないだろうか。と、今年使用していた花の絵が入ったそれにリザは目をやる。
「来年はどんなカレンダーがいいかしら、ねえ、ハヤテ号?」
足下に纏わり付いていたむくむくした黒毛の塊に視線を向けると、きゃんっとそれは小さく鳴いた。リザの家族となってまだ日が浅い彼はまだまだ小さな子犬だ。無邪気に甘えてすり寄って来る子犬はとても可愛らしかった。
「今年は犬のカレンダーがいいかしらね」
微笑み浮かべ、愛犬の背を撫でてやりながらリザはそんな事をひとりごちる。また、きゃんっと返事をするようにハヤテ号が一声鳴いた。
すると。
ふとリザの脳裏にはとある記憶が蘇って来て、あまりの懐かしさにリザは目を細めた。
(そう、私が初めて買ったカレンダーも犬のカレンダーだった……)



そんな余裕なんて無いからと今まで買う事が出来なかったそれを、少しづつ貯めたお金でようやく手に入れる事が出来た。
家に帰ると、リザは興奮した顔で手に持っていた袋を明ける。リザが買ったのは、犬の絵が入ったカレンダーだ。サイズはそれほど大きくはないけれど、ちゃんと日にちの下に書き込めるスペースが付いたもの。
さあここに何を書こうか? 街のお店の大安売りの日? 鳥猟の解禁日? 裏庭のお野菜の種まき日? 思いついた節約料理のレシピというのもいいかもしれない。 
わくわくした思いで、リザはカレンダーをめくっていく。一月二月三月四月……せっかく買ったのだから、最初に書き込むのは何か特別な予定がいい。五月六月七月……やはり、ただで美味しいものが食べられる街の収穫祭の日が良いだろうか。
「あ……!」
そしてある月のページでリザの手はぴたりと止まる。その月の、とある日。そこにリザの目は釘付けになっていた。
(やっぱり、ここ……しかないよ、ね)
確信を得た彼女はすぐに赤いペンを持って来てその特別な日に赤い丸をくれた。手がうっかり滑って一重ではなく、二重丸になってしまった。更にうっかり滑って花丸にしそうになった己の手を何とか止め、リザは自分で埋めた余白を眺めてとても嬉しそうに笑う。
これからきっと自分はこのカンレンダーにいろんな予定を書き込んでいく。それは考えるだけで心躍る未来だ。その最初の一歩――一書きに、リザは大いに満足していたのであった。



「やあ、中尉。こんばんは」
物思いに沈んでいたリザを引き戻したのは、慣れ親しんだ男の声だった。いつのまに、と驚きながら顔を向けるとリビングの戸口にやはり見慣れた男が立っている。
「返事が無いから勝手に入ったが……どうした?」
鍵は渡してあるのでそれは別に構わなかったが。相変わらず唐突な恋人の訪問に、リザは渋面を浮かべて見せた。
「何でもありません。それよりも、大佐。お帰りがずいぶんと早いようですが?」
非番の自分と違い、目の前に立つ男は今日もきっちり仕事である。退勤するにはまだ早い……そんな時刻での登場に不審の目を向ければ、男――ロイは心外だという顔をした。
「……言われていたものはちゃんと終わらせて来たよ。で、本日は市井の情報収集に出てそのまま直帰という訳だ。……こら、そんな疑い深い目で見るのは止めたまえ。せっかくいいものを持って来たというのに、あげないからな?」
「いいもの?」
ロイが大いばりでいいものと断言するものが、本当良いものだった例は今まであまり無い。(派手な宝飾品や服だったり、布面積が足りない下着だったり)半信半疑で聞き返せば、ロイが論より証拠だとばかりにそのいいものとやらをリザの目の前に広げて見せた。
「あ……」
あまりのタイミングの良さにリザは言葉を失う。
――それは、カレンダーだった。そう、リザがつい先ほど買わなければいけないと思案していたもの。
しかも、
「どうだ。こいつの写真を加工して印刷して貰ったんだ」
リザが欲しいと思っていた犬の――ハヤテ号の写真が使われたカレンダーだ。愛犬の可愛らしい写真がふんだんに使われたそれに、リザの頬は思わず緩んでしまった。
「可愛いですね……」
セピア色の写真の中のハヤテ号の無邪気な姿。目を奪われたリザは夢中で一月から順にカレンダーをめくっていく。もちろんどの月もハヤテ号尽くしだった。
「良いだろう? 持ち込んだ写真でオリジナルのカレンダーを作ってくれるサービスをやっている店があってね。そこで作ったんだ。君は私のプレゼントをあまり快く受け取ってくれないが、これなら気に入ると思ってな」
ロイのプレゼントをちゃんと受け取らないのはまともで無いもの限定だ。とは思ったが、リザは反論するのは止めておいた。今回のプレゼントはそれほど自分にとって素晴らしいものだったからだ。
「ありがとうございます、大佐。カレンダーちょうど欲しいと思っていたんです」
素直に礼を述べて、リザはカレンダーを手繰る。真新しい空白を眺めていると、あの幼い頃のわくわくした気持ちを思い出す。まっさらなカレンダーに予定を書き込んでいく、あの心躍る瞬間を。
だが。
「え……?」
とある月にさしかかった所で、リザの手は止まった。見間違いかと思ったが、確かにある。とある月のとある日。そこに赤いハートマークが描かれているのだ。
「あの、大佐。これは……」
「ああ! 君にとって大事な日だろうからな、ちゃんと私が書いておいたぞ。 忘れては一大事だからな!!」
無駄に自信満々なロイが頷いた、その日は。
「ちゃんと私の誕生日を祝ってくれたまえ! もちろん、プレゼントは君自信でかまわないぞ?」
一瞬リザは唖然とする。
だがしかし。
ちゃっかり自分の誕生日を人のカレンダーに書き込んでおくロイの用意周到さに少し呆れはしたものの、それ以上にリザの心は別の感情に満たされていた。
「ふ、ふふ……ふふふふ………」
「な、なんだ? 呆れないのか?」
突然笑い出したリザに、ロイが狼狽している。常日頃から恋人を愛するあまり、バカな言動をしてはリザに半眼を向けられているロイである。今回のもてっきり呆れられると思っていたらしいが、しかし。リザからは手厳しい言葉も無く、彼は拍子抜けしているようだ。
「いいえ?……手間が省けました」
――もう十年以上も前、自分は同じ日に二重丸を付けた……。その記憶が今、はっきりと鮮やかに蘇る。
あの頃から今まで。彼との関係は変わってしまったが、それでも。リザが彼のそばに居るのはずっと変わらない。リザにとってカレンダーのその印が、その証のように思えて。
「私も。一番最初にその日に印をつけようと思っていましたので」
だから、意地を張らず己の気持ちを素直に吐露すれば。
「そ、そうか……」
リザの年上の恋人は珍しく赤面し、それを隠そうとしてそっぽを向いたのだった。




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by netzeth | 2014-12-11 01:21 | 日記 | Comments(0)