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あれやこれや

パイセンをえろい意味だと思っていたうめこです、こんばんは。先輩ですか。そうですか。

風邪がノドの痛み→鼻水→咳と順調に進行中。に比例して原稿は停滞中。二冊目落としそう。この土日でどれくらい進められるかが勝負かな。

原稿は進まないのですが、あれやこれやしてました。とりだめたDVD消化。メンインブラック3とろぼとーちゃんは両方泣けた。春アニメも見てます。俺物語面白い。血界戦線のED超スタイリッシュでリピートしまくってる。この作品雰囲気がバッカーノに似てるなあ。と思っていたら時代設定や場所は同じくらい?あと例の紐なアニメも見てる。例の紐、りざたんに付けたし……。

いつの間にかとらのあなさん分の再録本2011無くなってました。お買い上げ下さった皆様ありがとうございました!

拍手ありがとうございます(^^)
SS書いたのでよろしかったらどーぞ!







「今回は絶対に譲らないからな!」
 という俺の宣言をレベッカ・カタリナははんっと鼻で笑った。
「ハボックのくせに生意気。何たって、あたしとリザはマブダチなの。あんたの出る幕じゃないわ。そ、れ、に。彼女にフられたばかりのあんたに有給休暇1週間なんて宝の持ち腐れよ」
「うっっせー! お前だって、彼氏居ない歴もうすぐ1年じゃねーかっ」
「あ、それ言う? 言っちゃう?? このレベッカねーさんの地雷を踏み抜いたわね、このバカハボック!」
「二人とも、落ち着いて」 
 と、俺とレベッカの五十歩百歩なたいそう醜い争いにホークアイ中尉が困った顔をしている。そうだ、そもそも俺とレベッカの恋愛事情は今回の問題とは無関係である。……少なくとも今の時点では。


 
 アメストリス国軍の伝統として、毎年春先の行われる催しがある。それが軍内対抗競技会……まあ、学校で言う運動会みたいなもんだ。その意義は日頃の研鑽の成果を見せる場であると共に仲間と競い合うことにより更なる技術と体力の向上はかるためのもの――であり、ちょっと前にマスタング大佐と鋼の大将が錬金術戦を繰り広げたが――まあ、あれもこれの延長みたいなものだった。
 これ、すなわち軍部祭りである。
 ブラッドレイ大総統が就任してからと言うのも、真面目だった競技会が祭りじみて来たのは彼の愉快な人柄故だろうか。加えて、東方司令部には大総統に負けず劣らずのお祭り好きで破天荒な御大がいらっしゃるのだ。
 東方司令部最高司令官グラマン中将は、更にこの軍内対抗競技会に自由過ぎるカスタマイズを施した。ミスコンまでやろうとしたのは、流石に女性達に猛反発にあい諦めたが。だが、祭りの盛り上げ方を心得ている中将は、代わりに各競技の優勝チームに豪華な特典を用意してくれたのである。
 その中の目玉が、射撃競技優勝チームに与えられる――絶対有給休暇1週間なのだ。
 ポイントは、絶対・有給休暇ということだ。軍人なんてやっていれば休みなんてあって無きもの。例え休暇であってもスクランブルがあれば呼び出されるのは常。有給休暇消化なぞ夢のまた夢だ。ただ、取れもせず消えていく休暇を貰っても意味はない。
 しかーし。今回の絶対有給休暇は違う。なんと、文字通り絶対にお休みをもらえる権利なのだ。何があろうと、それこそ隣国が攻め込んでこようとも、イーストシティに銃弾の雨が降ろうとも、例え大総統府がマングースで埋め尽くされようとも! 絶対に休んでいいよ! という夢のような? 優勝商品なのである。
 さあ、もうお分かり頂けただろうか。何を俺とレベッカが争っているのかを。


「リザは絶対にこのレベッカさん率いる狙撃部隊Aチームで出て貰うんだから!」
「何をっ、中尉は司令官付き副官なんだから、絶対司令官付隊チームだろ!」


 射撃競技はチームの代表1人による勝負。ならば、必然的に東方司令部の鷹の目、随一のスナイパーであるホークアイ中尉が居るチームが圧倒的に有利だ。
 ホークアイ中尉は司令官付き副官。よって、この俺の所属する司令官付隊チームだとだと思っていた。
 しかし。
 それに難癖を付けてきたのがレベッカである。グラマン中将が言った「あ、チーム分けは基本的には所属部隊別だけど、本人の強い希望があれば自由意志に任せるからね。好きなとこ行っていいよ~」という自由過ぎるルールを盾に、ホークアイ中尉をレベッカの所属チームによこせというのだ。


「リザは半分狙撃部隊所属みたいなもんなんだからっ、うちでしょ!」
「何おうっ! お前だって狙撃手だろっ、自分で出て勝つっていうプライドはないのかよっ!」
「そんなもの有給休暇1週間の前に儚くも散ったわ……!」
「散らすな!!」

 レベッカの要求に簡単にはいそうですか、と屈することは出来ない。何しろ、有給休暇1週間がかかっているのだ。

「それを言うなら、うちの狙撃部隊Bチームにも権利はあるぞ!」
「ならうちだってっ。中尉はよくうちの部にお見えになる!」
 
 また増えたホークアイ中尉争奪戦参加者。そうだっそうだっ、という賛同の声が上がってうるさいことこの上ない。ちなみに、ここは飲み屋で、周りは酔っぱらいだらけ。うるさいのは仕方がない。
 各チーム代表が集まっての競技会前の親睦会……という名目の飲み会は混沌とした様相を見せていた。皆酒が入っているせいで、遠慮がない。収拾がつかないとはこのことだ。


「だーっ! 周りが騒いだって仕方ないじゃないっ。ここはとにかく、本人の意志を確認しましょ。ねえ、リザ? この大親友のレベッカさんと一緒に参加したいよね? そうに決まってるでしょ?」
「くぉらっ! 女の友情で誘導尋問するんじゃないっ!」

 周囲から一斉に注目を浴びて。ホークアイ中尉は珍しく戸惑った顔をしていた。彼女からしてみれば、親友の頼みは断り難いだろうし、かといって俺ら同僚を裏切ることも出来ないだろう。他に義理のある部の声も無視出来ない。確かに板挟みの困った状況だ。

「私はどこのチームで出場してもかまわないけれど……」

 中尉はそこで、言葉を切った。こちらを立てればあちらが立たず。言葉に詰まるのも無理は無い。

「私は……大佐の命令に従います」

 続いた中尉の言葉に、俺らは一斉に振り返った。そこには。


「ん……? なんだ?」


 このホークアイ中尉争奪戦の喧騒の中、一人置いてけぼりをくっていた、そう、一応この中で一番えろい…いや、違った。偉い人――ロイ・マスタング大佐が寂しそうにちびちびとグラスを傾けていた。
 あ、大佐。居たんだっけ。
 この人の存在を半分忘れかけていた俺は、かなり不敬なことを思いながら大佐を観察する。あ~あ、みんながホークアイ中尉にばっかり夢中になっているから、飲み過ぎてるぞ、この人。もともと酒が強くないのにな。誰か止めてやれよ。
 もちろん、大佐に注目が集まらないのには理由がある。射撃競技では役に立たない――というのもあるが、そもそも。彼はグラマン中将と共に大会を取り仕切る責任者の立場であり、参加者ではないからだ。


「そうねっ、リザの言うとおり! 大佐に決めてもらいましょ」

 ホークアイ中尉の提案に一番に乗ってきたのはレベッカだった。俺はしまったと唇を噛む。大佐は責任者であり公正かつ公平な立場でなければならない。よって。大佐の付属部隊である俺らとはなあなあなの関係ではあってはならないのだ。
 つまり。
 立場的に大佐はホークアイ中尉を、付隊チーム所属にはしないだろう。むしろ意図的に避けなければならないのだ。
 くっそ、やられた! 
 にんまり笑っているレベッカの赤い唇を睨みつけて、俺は唸る。
 これでレベッカの勝率は格段に跳ね上がった。中尉が一番縁がある狙撃部隊+彼女の親友という立場。有利なのは間違いない。なんだかんだ言って中尉思い……いや、中尉大好き大佐ならば、レベッカのチームに。と言うかもしれない。


「ね、マスタング大佐。答えて下さい。リザはあたしのですよね??」
「違うって! 大佐ぁっ、ホークアイ中尉は俺らのものですよね!?」

 酔っぱらって顔を赤くした大佐はまずはレベッカの顔を、次に俺の顔を見た。それから周囲を取り巻く連中をぐるりと見渡して。そして、最後にホークアイ中尉の上で視線を固定した。

「はあ?…………んなの、決まってるだろう」

 俺たちは息を呑む。


「リザは私のものだ」

 
と、真顔で酔っぱらいがのたまってくれやがったので。
 
 俺ら彼女居ない野郎共のやる気元気が行方不明になり、レベッカがやってられないわー! とやけ酒をかっくらい、ホークアイ中尉がもう、なんてことを言うんです……と可愛く憤慨するはめになりましたとさ。

 めでたくなし。めでたくなし。 





   


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by netzeth | 2015-04-17 00:54 | 日記 | Comments(0)