うめ屋


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by netzeth
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さらばGW。また会う日まで

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GWも終わりですね~。もっといろいろしたかったと後悔ばかり。でも、また頭がぼーっとしてふらふらして妙に眠いという症状が発症しまして、何をやるのも集中出来ず困ってます。おかげで何も出来なかった……。この症状去年の12月頃から続いているのですが、一体何なんだろうムカぷん!!


拍手ありがとうございます\(^o^)/

SSを書いてみたので、よろしければ以下↓からどうぞ。ブラハの子は3匹?みたいですが、ワンコは多産だからもっと居たと思うのですよね。で、残した子達が3ワンコで後の子は里子に出した……みたいな妄想で書いた話です。ロイアイというよりロイおじさんとエリシアなお話ですね。





 その家はメイフラワー通り住宅街の中程にあった。小さな庭は綺麗に整えられ、至る所に花が植えられている。おそらく、あの美しい奥方の趣味なのだろう。
 ロイがその家を二人と一匹で訪れるのは、これで二度目だ。ドアノッカーを叩くと、トタトタトタと軽い足音が近づいて来て。思わず彼は隣に立つ女性――リザと顔を見合わせて微笑んだ。
「ロイおじさん、リザおねーさん!」
 満面の笑顔で彼らを出迎えてくれたのは、ロイの親友の遺児である。彼女――エリシアはキラキラと瞳を輝かせて、リザが持つバスケットに視線を注いでいた。
「そこに居るの?」
「そうよ。ほら」
 リザがバスケットの蓋を持ち上げてやると、中からひょっこりと黒い毛玉が顔を出した。白と黒の毛を持つその子犬は、リザの愛犬ブラックハヤテ号の子である。
「うわぁ、可愛いっ! ハヤテちゃんそっくり!!」
 歓声を上げた少女は、興奮を押さえきれない様子で手を伸ばして子犬に触れようとする。だが小さな手が触れる前に彼女の母親の叱責の声が飛んできた。
「ダメよ、エリシア。まずはお二人にきちんとご挨拶なさい」
「…………ロイおじさん、リザおねーさん。こんにちは。いらっしゃいませ」
 少しムクレた顔をしながらもエリシアは素直に母の言葉に従った。グレイシアは穏やかで優しい女性だが、躾にはなかなかに厳しいらしい。
「ああ、こんにちは、エリシア」
「こんにちは、エリシアちゃん。すっかりお姉さんになって」
 笑みを浮かべてロイとリザも挨拶に応える。幼い頃から活発な少女であったが、最近ますます父親に似てきたようだとロイは思った。その天真爛漫さで周囲を明るく照らす太陽のような所が特にそっくりだ。
「さ、お二人ともどうぞ中へ。わざわざいらして下さってありがとうございます」
 丁寧に礼を述べるグレイシアの言葉に甘えて、ロイはリザと共にヒューズ邸へとお邪魔することになった。


 ロイとリザがここ――ヒューズ邸にやって来たのには、明確な目的があった。それが先ほどからリザが抱えているバスケットの中の子犬である。沢山生まれたハヤテ号の子犬達――流石に全ての面倒をリザが見ることは出来ないため、里親を探していたのだ。それに手を挙げてくれたのが、グレイシアとエリシア親子だったという訳だ。
「とっても可愛い!」
 リザからようやく子犬を手渡されて、エリシアはとてもご機嫌だった。胸に大事に抱えるようにして抱っこして、子犬を優しく撫でている。彼女は以前ブラックハヤテ号を見た時、自分も欲しい! と泣いて駄々をこねたことがあった。その時は周囲の大人達で何とか宥めたものだ。だが、あの時、「近いうちにパパがエリシアに子犬あげるからな!」と娘と約束をしていた男はもういない。その約束は果たされることなく、ずっと宙に浮いていた。おそらく今回の里親の話を引き受けたのは、グレイシアの娘に対する精一杯の愛情であり、慰めであったのではないかとロイは考えていた。

「本当にこの度は子犬を譲って下さってありがとうございます。まして、こうしてセントラルまでわざわざいらして頂いて……」
「いえ、子犬を引き取って頂いてありがたいのはこちらですから」
 
恐縮するグレイシアとリザのやりとりを聞きながら、ロイはエリシアに視線をやる。彼女は早々に座っていたソファーから抜け出して、床に座って子犬と遊んでいた。手に持っているのはボールや骨の形をした玩具。それだけで彼女が子犬をどれだけ待ち望んでいたかが分かるようだった。
「ロイおじさん、この子の名前はなんていうの?」
 一人と一匹にロイが近づいて行くと、子犬を持ち上げてエリシアが尋ねてくる。
「……名前はまだ無いんだ。その子のご主人様はエリシアだから、エリシアが付けてあげるといい」
「わたしが付けていいの?」
「ああ、もちろん」
 頷いてやると、何故かエリシアの表情がふっと沈む。そこは喜ぶ所ではないのかな、と疑問に思っていると彼女はふにゃりと眉を曲げて言った。
「……パパ、とね。名前考えたの。いつか、パパが子犬を連れてきてくれた時のために、今から考えておこうって。……その名前を付けていいかなあ」
 少女の悲しみの深さを思って、ロイの胸は痛んだ。まだ死を理解出来ぬほどの幼さで彼女は父親を失った。成長した今では、もちろんエリシアは父親の死を理解している。しかし悲しいという気持ちが無くなる訳ではない。いつまでもそれは尾を引いて、何気ない時にひょっこりと顔を出すのだ。
「エリシアがしたいようにするといいよ」
 優しく言えば、エリシアは無言でこくんと頷いた。
 ヒューズのことは彼女にとってもまだ消化しきれぬ事柄なのかもしれない、とロイは思う。ヒューズと考えた名前を子犬に付ければ、エリシアは常に亡き父親を思い出してしまう。止めた方がいいと言ってやるのは簡単だった。しかし、彼女の父親との思い出を大事にしたいという気持ちも分かるのだ。
 だから、ロイはエリシアに任せて、彼女の気持ちを尊重することにした。結局、他人のロイが口を出した所でどうしようも無い。
「うん。……あ、でも、この子…男の子? 女の子?」
「ん? どうしたんだい?」
 困ったように言うエリシアに、ロイは首を傾げた。
「あのね、パパね、犬でも男の子はダメって言って、女の子の名前しか考えてくれなかったの」
「あいつ……」
 死んでもなお健在の親ばかっぷりを見せつけられて、ロイは頭が痛くなる思いだった。エリシアが嫁に行く時には化けて出てきそうだ。 
「そうか。……この子は女の子だよ」 
「本当!? じゃあ、大丈夫だね!」
 無邪気に喜んで、エリシアはヒューズと考えた名前を子犬につけた。リザが考えた名前よりよほどまともなそれに、良かったなお前とロイが心の中で思っていた時のこと。
「でもこの子、女の子だからいつかお嫁に行っちゃうのかなあ……?」
 エリシアが不安そうにそう呟いたので、ロイは吹き出しそうになった。その顔が、エリシアがまだ赤ん坊の頃、彼女を抱きしめ泣いていた親友そっくりだったからだ。
「……どうだろうな。お婿さんを貰うかもしれないし、女の子だからって必ずお嫁に行くとは限らないだろう」
「当たり前だ娘を行かず後家にしたいのか」と冷たく突き放した親友とは違い、その娘にはロイは優しく言ってやる。
「そうなの? 女の子はみんなお嫁さんになるんだよってお友達は言ってたよ。エリシアもいつかお嫁さんになりたいんだあ……ロイおじさんは、リザおねーさんをいつお嫁さんにするの? わたしとっても楽しみ!」
「……あー……それはだな、おいおい……」 
 少女から思わぬ火の粉が飛んできて、ロイは慌てた。無邪気に少女に問われれば邪険に扱う訳にも行かず、言葉に詰まる。
 脳裏に浮かぶのは、彼女の父親の姿だ。ことあるごとに早くリザちゃんを嫁にもらえ! と、ロイを焚きつけていた男。

  ……この子はあいつに似ている。やはり親子だな。

 なんて、笑みをこぼしていたらば。
「あ、もう、ロイおじさん! 笑って誤魔化したらダメなんだからっ。女一人幸せに出来ない男は、かいしょーなしって言うんだよ?」
「そういう言葉をどこで覚えてくるんだい、エリシア……」
 すっかり成長した少女の冴えわたる舌鋒に、そんな所まであいつに似なくていい、とロイはひたすら苦笑するのであった。







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by netzeth | 2015-05-06 22:33 | 日記 | Comments(0)