うめ屋


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by netzeth
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来週は少しは気温下がるらしい

暑さに弱い中尉妄想が頭を駆けめぐる。ハイネック着てるから、暑さに弱くて部下に「中尉が冷蔵庫のフリーザーに頭を突っ込んでんの見たんスけど……俺、暑さで頭やられちまったのかな」と目撃されるUMA的な中尉。なお、増田さんは「ハアハア……中尉が頭を入れた冷蔵庫……」とご自分も頭を突っ込んでみる模様。



 

 以下SSS↓


 
 ちょっと書類仕事に手こずって司令部を出ると、もう日付が変わろうかという時刻になってしまった。満点の星がきらめく冬の空は、その寒さ故に鮮明で美しい。はあっと白い息を空に向かって吐き出して、私がはさてどうしようかなと思案した。
 腹がぐうと鳴る。
 行きつけの店はとっくに閉まっている時刻。開いている店を探すとなるとシティの中心部まで足を伸ばさねばならないが、この極寒の中歩き回るのは流石にしんどかった。かと言って家に帰って自炊しようにも、料理の材料など皆無である。
 しばし私は考え込んで。
「ああ、そういえば一番の行きつけの店があるじゃないか」
 すぐに思い浮かんだ名案により、私のこれからの予定は速やかに決定された。


 
 勝手知ったる慣れた手つきで、私はその部屋のドアをノックする。深夜であるので一応音を押さえた。すると、パタパタパタという軽い足音が近づいてきて、
「どちらさまですか」
 聞き慣れた声が扉の向こうからかけられる。良かった、まだ起きていたようだ。
「私だ」
 当然のように返事をすると、しばし沈黙が落ちる。
「……どちらの私さまで?」
 固い声での誰何。おや、分かってるくせに可愛くないな。
「君の愛する私だよ」
「………では合い言葉をどうぞ」
 やはりこんな時間の訪問では彼女の機嫌もよくないらしい。しかし、寒い中いつまでも外で待たされてはたまらないので、私はすました声で返答してやった。
「愛してる」
「………ばっ! ばかなこと言ってないで、とっとと入って下さい!」
「いや~はっはっはっ、遅くに悪いな。失礼するよ」
 まるでオープンセサミ。私の愛の言葉に案の定顔を赤くした彼女はドアを開けてくれた。そのまま暖かい部屋の中へと招かれる。ストーブが焚かれているようだ。しゅんしゅんしゅんとストーブの上に置かれたケトルからは蒸気が吹き出していた。とてもぬくもりを感じる光景である。
 見れば彼女はもうパジャマ姿だった。髪を下ろし厚手のカーディガンを羽織ったリラックスした格好。おそらく就寝前だったのだろう。
「……すまん、もう寝る所だったか」
 流石にこんな時刻に不躾だったか、と私は反省し彼女に謝った。いくら彼女が本日非番だったといえど、自宅を訪問するのに適した時間とは言い難い。
「本当です。……いらっしゃるのならば、せめて電話の一本なり入れて下さい」 
 くるり、と私を振り返り彼女は少々お怒り気味に言う。
「……すまんな。こう寒いと急に君の暖かい味が恋しくなって、な」
「やっぱり夕食を召し上がっていないのですね。きちんと規則正しく召し上がって下さいといつも申し上げていますのに……もうっ、分かりました。何か作りますからお座りになっていて下さい」
 お小言を言いながらも、彼女はキッチンへと赴くとあっという間にいい匂いをさせ始めた。私はそんな後ろ姿を眺めながら、膝の上に乗ってきたハヤテ号の相手をしてやる。ああいう私の面倒をみずにはいられない性質は、昔から彼女の変わらない所である。
「さ、出来ましたよ。もう夜も遅いんですから、さっさと召し上がって下さいね」
 ほわんといい香りがする、リゾット。コンソメで野菜と米を煮込んだ優しい風合いだ。流石リザ。胃に持たれないように、との配慮だろう。
 いい加減空腹が限界にきていたので、私はそれをありがたく頂くことにする。
 リゾットは優しく暖かく……私にとって格別な味がした。噛みしめて、彼女の愛情の籠った手料理を味わうことしばし。ふと、食事に夢中になっていた私は視線に気づいて、顔を上げた。すると、私を見ていた彼女と目があう。
 彼女は手料理を私に出すと、いつも同じ顔をしている。不安と期待が折り混ざった複雑な、けれどとても可愛らしい表情。その表情の意味をとっくに察している私は言ってやった。
「美味いよ、ありがとう」
「……いいえ」
 私の誉め言葉に、照れたように瞳を逸らすのもいつものこと。夜中に急に訪ねて行ったって、なんだかんだ言いながらもこうしてさっと美味いものをつくってくれるリザ。
「……こんな男に捕まらなければ、今頃いいお嫁さんになっていたろうになあ……」
 ついつい私は思ったことをぽろりとこぼしてしまう。すると、彼女の表情がひどく剣呑になった。
「あら、他のひとに捕まった方が良かったですか。……それなら今からでも遅くないので、そういたしましょうか?」
 唇を尖らせて、彼女は毒舌を吐く。
 ……ああ、これはひどく拗ねているな。
 私は己の失言に軽く後悔しながらも、フォローすべく口を開いた。
「それは困るな。私は君を捕まえた男を燃やさない自信がないよ。……それとも君はいいお嫁さんになりたいのかい?」
「ノーサー。今の私の望みでは、ありえませんね」
「うん」
 君ならそう言うと思った。
「でも、覚えておきたまえ。中尉」
「え?」
「私は君をいいお嫁さんにしたいよ。……だから、後数年待ってくれ。君の結婚適齢期が過ぎない内に何とかするから」
「……バカですか」
「どうだろう」
 ツンと拗ねた唇を、私はリゾットで暖まった己のそれで塞いだ。じんわりと熱を伝えて、寒い冬の夜を暖める。もっと熱を求めて彼女の体を引き寄せようとすると、抵抗するように押し返された。
「お食事に来たのですよね」
 確認するように問う彼女に笑って告げる。
「ああ、だから最初に言ったろう。暖かな君の味が恋しくなった、と」
「なっ……」
 あれはそういう意味だったのかと、絶句する彼女に。してやったりと私はもう一度口づけをし、勢いついでにソファーの上に押し倒そうとする。
 すると。
「きゅ~ん……」
 見れば膝の上にいた黒の子犬が、鼻を鳴らしていて。何をしているの? と眠そうな瞳で私たちを見上げていた。
 そのあどけない様子に、どちらともなく顔を見合わせて私とリザは笑い合った。

 ――寒いけれど暖かい冬の夜のおはなし。





くっそ暑いので冬の話をかいた。
いろんな意味でリザたんで暖をとろうとする増田のはなし。 


拍手ありがとうございます!
以下続きから拍手コメント(8/5分)のお返事です。


 







>22:52 いつも楽しく~のお方様

こんばんは♪ コメントを頂きありがとうございます☆またSSSお読み頂きありがとうございます(*´ω`*)
ご反応頂くといろいろ参考になるのでとっても嬉しいです~!
上司で遊ぶ部下シリーズで中尉バージョン面白そうですね(笑)
クールな中尉が翻弄されるのか……それとも中尉が大佐で遊ぶのか(笑) どちらにしても楽しそうですね( ´艸`)




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by netzeth | 2015-08-06 00:50 | 日記 | Comments(0)