うめ屋


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by netzeth
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M

石があると言われてからこれ以上増やさないために、シュウ酸(チョコとかお茶とかに入ってる)をとらないように気を付けているのですが、そのおかげかちょっと痩せました。だいたい3週間くらいで1~2㎏くらい。この調子で来年の夏くらいまでにもう少し痩せたい。

再放送してるレッツエンドゴーを楽しみに見ていたのに、いつのまにかWGP編最終戦に?? あれ、これもしかして間引いて再放送している?全部見られない?……もしかして、ブルーレイ買わないとダメかしら。


「私は君に叱られるのが好きだよ。……誰かを怒るというのは、その相手を想っての行為だからね。君の想いを知ることが出来るから、私は幸せだと感じるんだ」
「……大佐はドMなんですか?」
「君、私の話聞いてた?」
っていう、肝心なところが伝わらないロイアイ下さい。



拍手ありがとうございます(^^)
以下SSですよろしければどうぞ↓ 年末にUPしようと思っていてそのままになっていたもの。




クリスマスが過ぎると、世間は一転ニューイヤーに向けての準備を始める。家の掃除をし、下着や靴下などを新調し、祝いの料理の下拵えをし…何の憂いもなく新年を迎えるために、誰もが忙しくまた浮き足立っているようだった。
そんな雑多な人混みに揉まれながら、リザは町で買い物をしていた。

「小麦粉…また値が上がったみたい。高いなあ……」
お財布の中身を計算しながら、少女はため息をつく。まだまだ買わなければならないものは沢山あるというのに、そのどれもが予算的に厳しい。

結局当初の予定よりも少な目に全ての買い物を終えて、リザは帰路についた。
凍てつく寒さの中、緩やかにカーブを描く道を登っていく。丘の上の自宅まではかなり距離があるが、幼い頃より坂道を往復しているリザにはなんという事もない、慣れたものだ。
しかし、それは身軽ならばと条件が付く。いくら歩き慣れた道だろうと、両手両肩に荷物を抱えて歩くのは辛かった。
「ちょっと、買い過ぎちゃったかな…」
資金不足でだいぶ減らしたというのに、生活必需品や食料品の重量は相当なものがあった。大量に購入すると安くなるため、ついついまとめ買いをしてしまうのだ。
「もう少し……」
吐く息はとっくに真っ白。買い物バッグの持ち手が手に食い込んで痛い。小さな身体では重量を支えきれず、油断すると後ろに倒れてしまいそうだった。

それでもリザは頑張って、どうにか家の玄関にたどり着いた。持っていた荷物を下ろして一息つく。それからガランとした屋敷内を見渡してもう一度、今度は深くため息をついた。
これから、家中の掃除をしなければならない。新年用の料理の下拵えも。雪が降る前に薪も集めて来ないといけないし、やらなければならないことは沢山ある。
立ち止まっている時間など無いはずなのに。たった1人で家を切り盛りしている小さな少女は虚しさと疲れで佇んでいた。

頑張っても頑張っても1人。父は何も言ってはくれない……。

その時である。
「あ、お帰りリザ。」
背後から声をかけられて、リザは驚きのあまり飛び上がった。振り返ると、最近父に弟子入りした少年が戸口に立っていた。
「マ、マスタングさん……しばらくいらっしゃらないはずじゃ?」
「うん。叔母さんのお店が忙しくてさ、手伝うはずだったんだけど…いいから勉強して来いって追い出されちゃって」
ニコニコ笑いながら、マスタング少年はよいしょっと何かを床におろした。

「薪、いるだろ? 雪が降ってからじゃ大変だから集めて来たよ。どこに置いておけばいい? あ、リザもしかして買い出しに行ってたの? ああ、こんなに買って来たらすごく重かったろ。あ~あ手が赤くなってるぞ」
矢継ぎ早に言われて、何から答えるべきか軽く混乱する。リザよりも少し年上のこの少年は、陰鬱な屋敷には無かった明るさでいつもリザを翻弄するのだ。
「あ、あの……」
そうして答えを探していると、彼は止める間もなくリザの冷たい手を握ってしまった。

「寒いし、重たいしで大変だったろう? 買い物なら俺が行くのに。リザが行くならこんなに沢山買って来ない方がいいよ」
「でもだって…沢山買った方が安くなるんです。……重いのなんて平気です」
嘘だ。本当は辛くて苦しかった。誰も待っていない家に帰るのは寂しかった。
けれど、リザは虚勢を張った。
彼は――ロイは父の大切なお弟子さんであり、リザはホークアイ家の娘として彼が不自由なく勉強が出来るように取り計らう義務がある。好意に甘えていい相手ではないのだ。
しかし。

「偉いな、リザは。すごく頑張ってて、偉いな」
暖かい彼の右手がリザの手を握り、左手が頭に降って来た。ぽんぽんと軽く叩かれ撫でられる。
その感触は、リザの中で凝り固まっていた、意地っ張りな自分を溶かすには十分な威力を持っていた。
「ふ、ふぇ…ふぇぇ…う……ぐすっ」
気が付けば、瞳から涙がポロポロと溢れていた。
別に誉めて欲しいなんて思ってなかった。
だけど誰かに、リザはずっと、一言でいいから労って欲しかったのだ。
満たされて、胸がいっぱいになって。溢れ出た気持ちが涙となってこぼれ落ちていく。

「リ、リザ!? ご、ごめんっ、俺、なんか悪いこと言った!? あああ、ほらっ泣かないで……!」
慌てふためき狼狽する少年の声が聞こえる。
違います、あなたのせいじゃないんです。
そう否定してやりたいのに、嗚咽で声にならない。
「もしかして、具合が悪いの? お腹が痛い? 頭が痛いとか? 俺が出来ることがあれば何でもするから、あ、料理はすごく苦手だけど、でも頑張るから! どうか泣かないでくれよリザ……」
頭を撫でられ、優しい声が心に染みて、余計に鼻がツンとなる。
泣き止みたくても、しばらくは到底無理そうだった。

……やっぱりあなたのせいです。マスタングさん。あなたがとても優しいから。

だから、もう少しだけこの人に甘えていよう。
寂しく寒々しかった少女の心は今、暖かな春を迎えたようにぽかぽかしていたのだった。



「大佐、お疲れ様です」
「ああ、ありがとう」
年末を迎えて忙しく仕事に励む上司に労いの言葉をかける。同時に暖かいお茶を置けば、ロイは険しかった表情をほころばせた。
「君の一言で、疲れが吹っ飛ぶよ」
 そう言うと、襟元を緩めてロイは茶を一口飲む。
「うん、美味い。君の茶を飲むと更に癒やされるよ……ありがとう」
「礼には及びませんよ。それよりもお仕事を頑張ってくれると嬉しいです」
「やれやれ…君は本当に優秀な副官だな」
ニヤリと笑い、ロイはさてもうひと頑張りするかと腕をまくる。それを眺めながらリザは思う。

人は誰しも頑張っているときは頑張っているねと言って貰いたい。お疲れ様と労って貰いたい。
――礼はいらない。だって私は、あなたに貰ったものを返しているだけなのですから。

リザは傍らで上司を見守る。いつしかその口元には優しげな微笑みが浮かんでいた。




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by netzeth | 2016-01-15 00:31 | 日記 | Comments(0)