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だったらなー

もしも石油王だったらば、鋼のDVDを買いまくって公式に「やっべっ劇場版また作らなきゃっ」と焦らせるのに、と妄想する毎日のうめこです。こんばんは。

ちょっと原稿漬けで死にそうですww 毎日仕事と原稿しかやってねえ……という訳で新刊のサンプルをUPしときます。入稿したのはいいものの、受付けましたメールが来ないのでいまいち心配なのですが。こちらは出ると思われます。えーと、内容はロイアイ+兄弟のほのぼのコメディ本?です。ロイとエドが仲良く喧嘩したりリザとアルが仲良しさんだったりします。三本のお話が入ってる短編集です。

それではまた2冊目の原稿にいって参ります。こちらは再録本です。出したいのでがんがろう~。


拍手ありがとうございます(*^_^*)
原稿の何よりの励みになっております~ありがたや~(*´ω`*)



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by netzeth | 2015-02-18 23:34 | 日記 | Comments(0)

goldenSun silverMoon ~サンプル~


◆ダブルデート◆


「デートをしよう、鋼の」
「デートをしましょう、アルフォンス君」
エルリック兄弟はその日、イーストシティのまったく別々の場所で見知った男女それぞれにナンパされた。
誘われた兄は声を荒げ、同じく弟も大音量の声で答えた。二人の感情のベクトルはまったく違う方向を向いていたのだが。
「はあ!? デートぉ??」
「え……っ!? デート??」
一方は剣呑に相手を睨みつけ、もう一方は動揺して。
「何で俺があんたとデートしなくちゃなんねーんだ?」
「あ、あの、どうして僕とデートを?」
当然ながら、兄弟はそれぞれの相手にそう尋ねる。しかし、彼らの相手である男女は彼らよりも人生経験豊富な、そしてずるい大人であったので、子供に選択権を与えず話を進めていく。
「さあ、何処へ行く? 移動遊園地が来ているらしいぞ? それともスイーツ食べ放題の方が良いかね? ウォーレンストリートでは古本市をやっているらしい。掘り出し物の錬金術書が見つかるかもしれんぞ?」
「さあ、何処へ行きましょうか? セントラルで人気だった恋愛映画が今日からシティでも放映されるのよ。それとも中央公園近くのお花屋さんがいい? 綺麗なお花がいっぱいあるわ。でもやっぱりウォーレンストリートにあるペットショップの方がいいかしら? 可愛い猫と犬がいっぱい居るのよ」
確たる理由を示さずに自分のペースに人を巻き込んでしまう手管は、彼と彼女共通であって。兄は真っ赤な顔で怒りながら、弟は動揺におろおろしながら、結局は彼と彼女――ロイとリザに連れられて行くことになる。
「おいっ、こらっ、俺はまだ行くとはまだ一言も……!」
「待って、僕、まだ心の準備が……!」

かくして。
奇しくもエルリック兄弟の初デートは、兄弟同時に開幕したのであった。



「くっそ、離せ! 離せよ! 手を握るんじゃねー!」
「どうしてだね?……私のことが嫌いかね? 鋼の」
「嫌いだよ!!」
間髪入れずに答えたが、エドワードの手を引く男は一向にその力を緩めはしなかった。
「そうかそうか。はっはっはっ、まったく君は素直じゃないなあ。本当は嬉しいのならそう言ってもいいのだよ?」
「どうポジティブに捉えればそういう発想になるんだ!? その脳味噌いっぺん取り外して洗濯して来い! いや、俺がやる! つるっつるにしてやる!」
「はっはっはっ、皺が無くなったらますます君の言葉が脳味噌を素通りするなあ」
騒いでも暴れてもロイはエドワードの手をギリギリと握り込んで離さず、エドワードはズルズルとロイに引っ張られて行く。まるで駄々をこねる子供と父親のようだと思ったが。いや待て、これは散歩に行きたくないとゴネる犬と飼い主か? なんて思いつきが脳裏を過ぎって、エドワードはブンブンと頭を振って否定した。
(それじゃあ俺が犬じゃねーか!)
「ほら鋼の。遊園地はもうすぐだぞ? ん? それともエドワードと呼んだ方が良いかね?」
「気持ち悪っ!」
白昼の往来でのロイとの攻防。通行人達の突き刺さる視線が痛いが、エドワードも諦める訳には行かなかった。ウィンリィとだってまだまともにデートしたことが無いのに、このままこいつとデートしてたまるか、と必死になる。その辺りは思春期の少年としてかなり切実である。
「だいたいっ、何で突然あんたとデートなんだよ! くっそ街で偶然会ったからって挨拶なんかしてやるんじゃなかったぜ……」
そもそも。
エドワードがイーストシティに立ち寄ったのは、ほんの偶然だったのだ。別にロイに呼びつけられたからでも何か用があった訳でもなく、辺境へ行く列車の乗り継ぎのために仕方なくである。それは一日一本しか無い便であり、エドワード達はその列車の当日便をタイミング悪く逃してしまったため、イーストシティに足止めされた訳だ。
次の日までやることが何もない。
しかし何もせずじっとしていられる性分でも無かったため、エドワードは弟と一緒に街へと出た。そして二人それぞれに散策しようとアルフォンスと別れた所で、ロイに会ったのである。私服姿だったので珍しいなと思って声をかけたのが失敗だった……とエドワードは後悔した。
「とにかく離せ。まず離せ。話はそれからだ。俺はあんたと違って暇じゃねーんだ!」
「ほう? では聞こうか。大恩ある上官の誘いを断ってまで優先しなくてはならない用事とやらは何だね? そんな物がこの世に存在するとでも? やれやれ……どうやら君には君の従属する軍社会の鉄の掟を教えてやらねばならないようだな?……いいかね鋼の。世の中のおとーさんは例え妻や子供にその存在を忘れられようとも、休日の接待ゴルフコンペに参加せねばならぬさだめ……それこそ、このせち辛い世の中の仕組みなのだよ。我々は歯車。そう……錆び付くまで回される小さな小さな歯車の一つなのだ……」
「何の話だー!!」
とうとう絶叫したエドワードは、首を絞めんばかりの勢いでロイの胸ぐらを掴んで揺らした。
「しがない中間管理職には家族サービスは夢のまた夢という話だ。鋼の。あと、苦しいから手を離しなさい。服が破れちゃうだろう」
「うっさいわ! まだまだ夢いっぱいの未来ある若者にしょっぱい人生の話を語るな! て、そうじゃなくて。それと俺があんたとデートするのと、何のかんけーがあるんだよっ」
「……歯車になりなさい、鋼の」
「その聞き分けのないやんちゃ坊主を深いイイ話語って説得する大人風目線止めろ……全然含蓄深くもなんにも無いから……」
なんだかそろそろ疲れて来て、エドワードの口調もだんだんと力を失う。ロイの論調ははちゃめちゃで、真面目に相手をするのがバカらしくなってきたのだ。間違っているのは向こうのはずなのに、自分がおかしいのか? という気分にさせられてきた。別にエドワードには特にしなければならないことがあった訳でもない。ただロイへの反発心から暇じゃないとか口にしたが、エドワードは間違いなく正真正銘暇だったので。
「もういい……。要するにあんたは暇で暇で、たまたま見かけた俺で遊んでやろうって魂胆だろう。だったらしゃーない、付き合ってやるから。とりあえずデートって呼称するのと、手を握るのは止めろ。今すぐ止めろ」
「……いいだろう。そろそろ握力勝負をするのも疲れて来た所だ」
ロイが妥協してくれたので、ようやくエドワードの左手は解放された。ロイが離すまいとおもいっきり掴んでいたので、赤くなってひりひりしている。オートメイルではない方の手を握っている辺り、確信犯である。
「それでは鋼の。遊園地に着いたぞ? まずは何に乗るかね?……私のおすすめはメリーゴーランドだ。ぜひ乗って馬上から私に手を振ってくれたまえ」
「あー…はいはい、了解いたしやした。大佐殿」
精神的にどっと疲れた。
もう全てがどうでも良くなっていたエドワードは、がっくりと肩を落としながらもロイのご希望を叶えにメリーゴーランドへと向かったのであった。




  ◆運命の書類不備◆



雨の中寒そうに震えていたから……。
始まりは彼の部下が拾ってきた一匹の猫だった。



「君は司令部を喫茶店か何かと間違えていないかね?」
「まさか。こんなまずい茶を出す喫茶店なんかあるかよ。金返せって暴れるぞ?……あっ、もちろん中尉が淹れたお茶は別だから!」
「ふふ、ありがとうエドワード君」
金髪に鳶色の瞳の美人――リザ・ホークアイ中尉が小さく微笑むのに対して、エドワードはうっすらと頬を赤らめた。その様子を面白くなさそうな顔で東方司令部司令官ロイ・マスタング大佐が眺めている。
いつもと何ら変わりなく暖かく自分達を迎えてくれる、東方司令部司令官執務室。それが何故か無性に嬉しくて、リゼンブールが故郷ならイーストシティは第二の故郷って奴なのかな、とアルフォンスは思った。
エドワードが国家錬金術師の資格を取得し、元の体に戻るためあての無い旅に出て早一年ちょっと。相変わらず何の手がかりも得られない日々だが、めげず腐らず頑張っていられるのも、ロイやリザ達と言った応援してくれる大人達のおかげだとアルフォンスは常々感じている。
実は口には出さないが、(特にロイの前では絶対に)エドワードもアルフォンスと同じ思いを抱いているようで、何だかんだと文句を言いつつも、イーストシティに立ち寄った際には必ず司令部に顔を出している。彼は彼なりにここの軍人達に親しみを感じているのだ。
「なあなあ、ところでさ。俺、大佐に聞きたいことあったんだよな」
「何だね?」
という風に、非常に屈折した好意らしきもの? をロイに持っている素直じゃないエドワードであるが。この時はそれが、また非常に分かりにくい形で現れた。
「あのさー大佐はなんであの時、リゼンブールに来たんだ?」
「あの時?」
「大佐と俺らが初めて会った日のことだよ」
エドワードに言われてああ、とロイが頷く。ロイとリザがリゼンブールに国家錬金術師のスカウトに行った時のことだと彼は思い当たったのだ。
「やっぱりさ、天才錬金術少年だった俺の噂を聞きつけて来たの?」
エドワードが期待に瞳を輝かせる。自信に満ちたその物言いに、ロイは思わずその時の同行者であったリザと顔を見合わせた。そして、二人で苦笑する。それを見てエドワードは拗ねたように口を尖らせた。
「あ、何だよ。中尉と二人でさ」
「いや。すまん。あまりにも君が期待しているようだから、事実を言うのが少し忍びなくてな」
「へ?」
きょとんとする彼に、ロイは笑いを堪えるように言う。
「……君をスカウトに行ったのはな、手違いだ」
「な、なんだよ、それ! 中尉?」
ロイの意地悪で嘘を吐かれたのだと思ったエドワードは、助けを求めるようにリザに視線を向ける。しかし、リザは困ったように眉尻を下げているばかり。からかい目的の嘘など決して吐かない女性の反応に、エドワードの勢いが沈む。
「えっ、……嘘、手違いって……本当なのかよ……」
「そうだ、鋼の。あの時はな、書類不備で君を三十代の大人だと誤解してスカウトに行ったんだ」
「そんなあ……」
「もう、いいじゃない。そんなこと気にしなくても」
分かりやすく肩を落としてがっかりするエドワードを慰めるように、アルフォンスは声をかけた。
「よくない!……俺はてっきりもっと劇的でドラマチックで運命的な何かがあったから大佐と中尉があの日来たんだなーって思ってたんだよな。ほら、天からのお告げとか、彼こそ探し求めた伝説の勇者様! とか」
「……何を期待してたのにーさん……」
よく分からない理由で落ち込むエドワードに、アルフォンスは呆れる。普段は合理的で現実主義者の兄だが、時々妙にロマンを求めることがある。
「現実は厳しいものだよ、鋼の。自分が特別な存在! だと思いたい十代特有のその気持ちは分からんではないがね。だが、事実を受け止めたまえ。いいか? 君をスカウトに行ったのはた・だ・の、書類不備だ。運命などではないのだよ」
「ううう……うるせー!」
実は好意を持つ親しい人達との運命的な繋がりを期待していたエドワードだったが、無惨にも幻想は打ち砕かれた。それを大層楽しそうにからかうロイの顔は完全にいじめっ子そのものだ。おそらくこれをネタにしばらくエドワードをからかい続けるのだろう、とアルフォンスは仲が悪いようで仲良しな二人を微笑ましく思う。すると隣で似たような表情で彼らを眺めているリザと目が合った。
「アルフォンス君、ちょっとこっち」
「え……?」
手招きされてアルフォンスは一瞬戸惑う。いつもは落ち着いているリザの鳶色の瞳が、今はまるでいたずらっ子のように笑っていたのだ。呼ばれるままに仲良く喧嘩するエドワードとロイを後目にアルフォンスはリザに近寄った。
「ホークアイ中尉?」
首を傾げつつ何ですか? と尋ねるとリザはまるで内緒話をするように声を潜めた。
「大佐ね、あんなこと言ってるけど……全部本当のことを話してはいないのよ?」
「全部本当のこと……?」
ええとリザは相づちを打って、ふっと口元を緩める。穏やかな優しいその笑みにアルフォンスは何だかドキドキしてしまう。なんだろう。どんな隠された話があるというのだろう。
「人の出会いって不思議ね。あの書類不備がなければ私達は出会わなかった。巡り合わせってあるのよ、きっと。それこそ、エドワード君の言うような運命的な何かね」
そうして意味深な言葉を告げると、リザは密かにあの書類不備の裏側の出来事をアルフォンスに話し始めた。




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by netzeth | 2015-02-18 22:33

来たよー

ロイバッグ来た! すごく可愛くて感動してる。
まず、色が理想の青だった! 最初のTwitterの写真で回ってたお色に近い感じです。サイトのお写真ではすごく明るい青に写っていて、このお色だったらちょっと明るすぎるなあ……と思っていたので。そして、作りもしっかりしていると思います。チェーンと肩の星がまんま軍服のイメージですごく素敵☆ えへへ可愛いなあ……かっこいいなあ……とデレデレしながら眺めてる。
後はもう少し大きかったら良かったなあ。まあ、これはうめこの荷物が多いと言う個人的な事情からなので……ww
こんなに可愛いならば、エドバッグも買っちゃえば良かったなあ(^^)あっちもすごく可愛い感じだったし。

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拍手ありがとうございます(*^_^*)
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by netzeth | 2015-02-11 22:31 | 日記

寒う

本日は朝から雪が舞っておりました。寒いはずですね。手袋をしようとカバンに入れたはいいが、結局付けるの忘れて出番なし。帰りは車だったので意味なしだったな。ん?いや待て……お昼にお弁当をレンチンして取り出すのにミトン代わりに使ったわー。大活躍したわー。

そういえば。ロイカバン、もうすぐ発送するよーっていうメール来てたけどいつ来るんだろうか。ものすごく楽しみなんですが。最近エド時計なるものも目撃した。……ぜひロイバージョンも!リザたんも!

もうすぐバレンタインですねえ。バレンタイン用にお得用のデカいチョコネットで買いました。一応職場用に。……女子チョコですがねww あと自分用も買った! 常々バレンタインデーは女子にチョコ送る日にしようよと思っているうめこです。チョコ大好きなんだよ!


拍手ありがとうございます(*^_^*)
コメントを下さったお方様、レス不要のお気遣いを頂きましてありがとうございます。ご感想嬉しかったです☆それから一言だけ!にゃんこは正義ですよねww






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by netzeth | 2015-02-09 22:54 | 日記 | Comments(0)

原稿やってます

今日のメニューは手抜きカレーです。もちろん、手抜きでないカレーを作っている皆様もいらっしゃるでしょうが、うめこにとってカレーは手抜き料理でして。何しろ材料は切らない(暇そうな家人にやらせた)そのまま鍋にぶちこんで煮る(炒めない)そして、三日間カレーを食べようと思っている所が一番手抜き。何故って? 思う存分原稿をやるためさ!!

という訳で原稿が終わらないうめこです。こんばんは。最近、自己紹介の枕詞みたいなの考えるのが自分の中で流行ってる。えーと、タイバニの次回予告みたいなの。寿司はさび抜き、うめこです。こんばんは。とか、プチプチはとりあえず潰す、うめこですこんばんは。とか、目玉焼きは半熟派、うめこです、こんばんは。とか。どうでもいい自己紹介つけると何となく文章がまとまる気がする。(本当か?)

ちなみに、これでロイとかリザを考えると楽しいよ!
グラビアは太もも狙い撃ち、ロイ・マスタングです。とか、昼寝は膝枕で、ロイ・マスタングです。とかミニスカは膝上20センチが基本、ロイ・マスタングです。とか。……て、太ももばっかだな! リザたんだと特技は大佐のアホ毛を撃ち抜くこと、リザ・ホークアイです。とか?


コンビニで世界の猫達っていう本を立ち読みしていたら、待ち合わせしていた兄が来て暇なことしてんな、と鼻で笑われる。猫見る時間は無駄じゃない!無駄じゃない!……猫は世界を救うのだよ。

SSをアップしました。原稿期間中でばたばたしておりまして、更新期間空いて申し訳ない。5月のスパコミまでこんな感じだろうか。襲い来る締め切りに勝ちたし……。


拍手ありがとうございます(^_^)
通販到着のメールを下さったお方様もありがとうございました!こちらからお礼を。無事にご本を届けられて良かったです☆





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by netzeth | 2015-02-07 19:51 | 日記 | Comments(0)

傷跡

「つっ……」
しまったと思った時は時既に遅く。指先に走ったぴりりとした鋭い痛みにリザは思わず小さな悲鳴を上げていた。慌てて確認すると案の定人差し指の腹がぱっくりと裂けている。うっすらと血が滲むのを目にして、リザは思わず舌打ちしたい気分になった。
指先の負傷はその傷の小ささに関わらずやっかいなのだ。まずどんな作業をするにも必ず使う部位であるし、神経が集まる指先は何をしても鋭く痛み集中力を殺ぐ。何より仕事への影響が心配だ。負傷したのがトリガーを引く指であることが悔やまれる。繊細な感覚を必要とするスナイパーにはあってはならぬことだ。改めて自分の不注意さをリザは呪った。
「どうした!?」
焦りを帯びた声が耳を打ち、振り返るとリビングでくつろいでいるはずの男が息を切らして立っていた。リザの悲鳴を聞きつけ駆けつけて来たのだろう。彼――ロイがリザに関して過剰に心配性なのは今までの経験上嫌というほど理解していた。故に悲鳴を上げてしまった迂闊な己をリザは悔やむ。
「……いえ。大丈夫です、大佐。お騒がせしました。ちょっと包丁が滑って指を切ってしまっただけで……」
「何? 見せてみろ」
彼に傷を見せないようにさり気なく後ろに手を持って行きながら、何でもないという風に首を振る。しかし、案の定ロイは顔色を変えてリザに詰め寄って来た。仕方なくリザは切ってしまった指を差し出した。
「たいしたことはありませんから……」
「何を言っている。血が出ている、早く消毒をして手当を……!」
手を強く掴みロイが焦った声で言うのを、リザはおおげさですと渋い顔で受け流した。リザには取り立てて騒ぐような傷には思えない。
「少し切っただけですし、こんなの日常茶飯事です」
「いや、ダメだ。すぐに適切な処置をするんだ」
「ですからっ、平気です!」
「平気なものかっ。傷跡が残ったらどうするんだ!」
「そんなの今更でしょう? 私の体に幾つ傷跡があると思っているんです。大佐が一番ご存じでしょうに」
背中の火傷跡を始め、軍人となってから今まで大小幾つもの傷をリザはその身に負ってきた。もちろんそれを後悔したことはない。その傷のどれもがロイを守り己の使命を全うして付いたものだと思えば、むしろ誇らしかった。だから今回のことだってそれに一つ小さな傷が加わったに過ぎない。大げさに騒ぎ立てることではないのだ。
だが、ロイは厳しい顔を崩さなかった。
「既に傷が無数にあるからと言って、傷が増えて良い訳ないだろう。そんなもの少ないに越したことはないんだ」
いつになく強い口調でロイが言い切る。そんな彼の剣幕にリザは少しだけ引っかかりを感じてしまった。いつもだったら気にもしないような些細なこと。だが、今はプライベート。恋人同士の時間だ。女としてのリザの純粋なロイへの想いがその言葉を言わせた。
「……やっぱり傷のある女はお嫌いですか?」
それは常にリザが感じている、劣等感だった。先ほども言ったとおりリザは傷を負ったことを後悔したことはない。この道を選んだのは自分であるし、他ならぬロイの為になるものならば傷跡だって喜んでリザはこの身に引き受ける。しかし、いざ仕事を離れるとどうしても気になってしまうのである。ロイの周囲には女を武器にした綺麗な女性達が大勢いる。その彼女達の傷一つ無い白い肌を見る度に、細くしなやかな手を見る度に、傷だらけの己の身体を省みてしまうのだ。
「まったく君は……」
はあっとため息を吐いて、ロイが頭をがりがりと掻いた。彼が苛立った時の仕草だ。あまりにも女々しい発言を呆れられたのか、とリザは不安に思う。しかし、リザの瞳を真っ正面から睨みつけてロイはきっぱりと言った。
「君の表面的な部分がいくら傷つこうとも、君の高潔で美しい魂が汚れることは一切無い。君が例え全身傷だらけだろうとも、その魂が君であるならば、私には何の問題もない」
まったく、なんてことを言うのだろう。
ロイの言葉の意味を噛みしめて、リザは頬が熱くなってしまうのを止められなかった。ある意味ストレートな愛の告白よりも熱烈でやっかいな告白だ。
「だがな。例え容れ物であろうとも、君の身体は君の一部であることは代わりはない。君だっていつも私に言っているじゃないか。身の回りの持ち物をもっと大事にしろってな」
普段の自分のお小言を引っ張り出されて、リザはとうとう降参した。それを言われてしまえば自分はぐうの音もでない。
「……分かりました。適切な処置をいたしますから」
「分かったならいい」
とうとう素直にロイの言いつけに従ったリザに、彼は満足そうに頷いた。そして、にやりと笑うとそれにな。と言葉を続ける。
「私は傷のある女は嫌いじゃないが、自分を大事にしない女は大嫌いだよ」
ずるい。そんなことを言われては、この先リザはおいおい簡単に包丁も握れないではないか。
「さ、まずは消毒だな」
憮然とするリザを後目に、ロイは上機嫌にリザの手を引く。そうして、リザが止める間もなく、負傷した指を口に含みぺろりと舐めてしまった。
「なっ……」
ふざけているのかと抗議の声を上げようとしたリザだが、男のどこまでも真剣な顔を見て言葉は喉の奥に引っ込んでしまう。
ロイはどこまでも本気である。本気でリザの指を舐めて消毒しているのだ。
やっかいなのはこの傷でも何でもなく、この男かもしれない。と自らの心に傷よりも深く刻み込まれた存在に対して、リザは諦めのため息を吐いたのであった。




END
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by netzeth | 2015-02-07 19:47 | Comments(0)

もう日曜日が終わった

最近の刀の流行を見る度に今こそ刀業界は売り時だと思ってる余計なお世話なうめこです、ばんわー。
平日ずっと早出で全然ネットも原稿も出来ず土曜日は土曜日で用事があり仕事よりも早起きで出かけてきてようやく日曜日だーということで原稿をやっていたのはいいのですが、あんまりはかどらず。最初に設定した締切が2月初めだったのですが間に合う気がしない\(^o^)/ とりあえず最初の締切設定は忘れることにしたww
という訳でSSを息抜きに書きました。よろしければどうぞ。






マスタングさんが全部悪いんだ。
頭からシーツを深く被り、リザは自室のベッドの中で時計の針の音を聞いていた。
現在午前1時前。普段のリザならばとっくに寝入っているはずの時刻である。しかし、今夜に限ってはちっとも眠気が訪れない。早く寝なければ明日の朝起きられない。そんな焦りからリザはひたすら目を瞑り寝るための努力をする。
だが、寝よう寝ようと意識すればするほどリザは眠りから遠ざかっていくようだった。
やっぱりマスタングさんが全部いけないのよ。
やり場のない怒りをリザは脳裏に思い浮かんできた少年に再びぶつけた。
マスタングさんと言うのは錬金術師であるリザの父親のお弟子さんであり、最近この家に出入りするようになった少年だ。
明るく礼儀正しく親しげに接してくれる彼を、実はリザも内心好ましく思っている。ことの始まりは彼がリザにある頼みごとをしてきたことだった。


「コーヒー?」
「うん。頼めないかな?」
ある夜、いつもの様に紅茶を淹れて持って行こうとしていたリザの元にやってきた彼はコーヒーが欲しいと頼んできた。
「マスタングさんはコーヒーがお好きだったのですか?」
「いや、好きというか……リザの淹れてくれるお茶もとても美味しいんだけど、夜勉強するときは眠気覚ましにパンチが欲しいんだ」
「眠気覚まし?」
「ああ。コーヒーにはカフェインが含まれているからね。カフェインには興奮作用があるし……もちろん、お茶にも入っているけど、俺にとってはコーヒーの方が眠気覚ましにはいいんだ」
「でも……ごめんなさい。マスタングさん。うちにはコーヒーは置いていないんです」
コーヒーはそのほとんどが南国からの輸入品だ。国産のお茶よりも関税がかかって値が張る。故に家計が火の車なホークアイ家には常備はされていない。申し訳ない気分で謝るリザにロイは首を振ってにっこり笑った。
「大丈夫。コーヒーなら持参して来たから。お湯を注ぐだけでいい奴だから」
「これがコーヒー……ですか?」
ロイが取り出した瓶をリザは興味深げに眺めた。
「うん。インスタントコーヒーだけどね」
飲んでみる? と尋ねられてリザは一瞬躊躇する。リザ自身紅茶が好きなことも手伝ってコーヒーは飲んだことがなかったからだ。だが、好奇心が不安よりも上回って結局はこくりと頷いた。
「これでいいんですか?」
「ああ」
ロイに言われるまま湯を沸かし、マグカップを二つ用意する。ロイがスプーンで瓶からコーヒーを入れてくれ、すかさずリザが湯を注いだ。コーヒーの色は慣れ親しんでいる紅茶の色に比べると、とても深い色だ。まるでロイの瞳のように。何とも言えない香ばしい香りが辺りに立ちこめる。
「……いい匂いですね」
「さ、リザ。飲んでみて」
促されてリザはマグカップを口に運んだ。こんなに良い匂いなのだからきっと素敵な味がするに違いない、リザはそう信じて疑わなかった。
だがしかし。
「んっ……にがっ…い」
結果的にその味に驚かされることになってしまう。コーヒーはたいそう苦く飲みにくいものだった。リザは思わず舌を出し、顔を歪める。すぐそばでロイが笑う気配がした。
「はははっ、いきなりブラックは早すぎたかな? ミルクと砂糖を入れれば飲みやすくなるよ」
だがそう言うロイ自身は平気な顔をして、ブラックコーヒーを飲んでいる。リザはなんだかとても悔しくなった。甘くしないとコーヒーも飲めないなんて、子供だとバカにされたような気がしてしまったのだ。
「大丈夫です! 美味しいですっ、ちゃんと全部飲めます!!」
意地を張ったリザは、一気に手にしたカップの中身を飲み込んだ。口の中に強い苦みを感じたが我慢する。あまりの苦さに瞳にちょっぴり涙がにじんでしまったけれど、ロイには気づかれないように隠した。
「リ、リザ……無理しない方が……」
「大丈夫です!」
強がりで心配そうなロイを黙らせる。
――その時はこれで大人の仲間入りだとリザはたいそういい気分だったのだが。
夜に子供が濃いブラックコーヒーを飲めばどういう事になるのか、それは自明のことであったのであって。
リザはその日、眠れぬ夜を過ごすはめになったのである。


いつまで経っても訪れぬ眠りに業を煮やしたリザは、結局開き直ることにした。
眠れないならば起きていればいい。
そう心を決めると少し気分が軽くなる。無理して寝ようとするよりも自然と眠くなるまで待てばいいのだ。
だが早速ベッドから起き出したはいいが、リザはそこではたと困った。
することがない。
本を読もうにも編みかけの編み物をしようにも、明かりが必要だ。だが、夜に無駄に油を消費することは家計的に厳しい。かといって暗闇で出来ることなどない。どうしようかと悩むことしばし、リザはすぐに解決策を見出し、部屋を出ることにする。
――今回の元凶とも言える人物に責任をとってもらうことにしたのだ。
部屋を出て向かったのは、ロイが使っている部屋だ。きっと彼は今夜も遅くまで勉強をしているに違いない。当然明かりも点けているだろうし、そこならば油を無駄に使うこともないだろう。
音を立てないように階段を上り、リザは彼の部屋の前まで来る。軽くノックをしても返事がない。もしかしてもう寝てしまったのだろうかと少し不安になりながらも、リザは扉を開けた。
少女が見たのは、オレンジ色のランプの明かりが部屋を照らし、少年の黒い影が壁に映っている光景だった。ロイは集中しているらしく扉が開いたことにも気づいていないようだ。そーっとリザは部屋の中に入ると、机横のベッドへと腰掛けて、少年の横顔を伺った。彼は真剣な顔で一心不乱に何事かぶつぶつと呟きながらペンを走らせている。その様子はリザの父親ととてもよく似ていた。
「マスタングさんっ」
リザの父親も錬金術のこととなると、娘の声も耳に届かなくなる。それはリザにとって少し寂しいことだった。その寂しさを思い出してしまって、リザは思わず反射的にロイに呼びかけていた。
「リ、リザ? あれ?……いつの間に来たの?」
「ようやくお気づきになりました?」
呆れた顔で少年を見てやると、彼は目をまん丸くしてリザを見つめていた。
「どうしたの?」
「その……眠れなくて……」
ばつが悪い思いで告白すれば、ロイは案の定くすりと笑った。
「やっぱりコーヒーが効いたのかな」
「……マスタングさんが全部悪いんです。コーヒーを持って来るからっ。だから、責任もって私が眠くなるまで面倒を見てください」
「いいよ。じゃあ子守歌でも歌おうか?」
「私は子供じゃあありません!」
「コーヒーで眠れなくなるなんて十分子供だ思うよ」
「……マスタングさんのバカ。知りません」
やりこめられてリザはぷうっと頬を膨らませた。拗ねた表情でぷいっと顔を逸らせば、慌てたようにロイが言う。
「じゃ、じゃあどうしたらいいんだい?」
「別に。……私、ここに勝手に居ますからマスタングさんはお勉強を続けて下さい」
「それでいいの?」
「はい。……でも、時々話しかけたらお返事くらいして下さいね」
暗闇の中一人で起きて夜を過ごすくらいなら、ここでロイを見ている方がよほどマシだ。
「リザがそれで良いのなら……」
納得したのかロイは再び机に向き直り、勉強に集中し始めた。そんな彼をリザはじっと見つめる。オレンジ色の光に照らされてロイの顔には複雑な陰影が刻まれていた。いつもよりも引き締まって見えるその顔により強く視線を注ぐ。彼の顔ならば飽きずにずっと見ていられそうだった。しかし、すぐにロイはペンを放り投げて勉強を中断してしまう。
「う~ん、やっぱり集中しきれないよ」
「どうしてですか? さっきは私が見ていても大丈夫だったじゃないですか」
「さっきはリザが居るのに気づいていなかったからね。でも今はダメだ。見られるのって、結構落ち着かないんだよ」
「そうですか?」
「そうなんだよ。じゃあリザも試してみる?」
首を傾げるリザに、ロイがそう提案してくる。何をするのだろうかと不思議に思いつつも頷けば。
「そうか。じゃあリザ、こちらを見て」
言葉と同時に、ロイがリザを見つめてきた。淹れたてのコーヒーよりも深い色の瞳が、焼け付くような強い視線をリザに当ててくる。まるで心の奥底まで見透かされてしまいそうな、そんな視線。とうとう耐えきれずに、リザは瞳を逸らしてしまった。顔が赤くなっているのを自覚し、どうかロイに気づかれませんように、と願う。
「分かったろう?……誰かに見られるってとても恥ずかしいんだよ」
「……そうですね」
笑うロイにリザは同意したが、本音は違っていた。誰に見つめられたってリザは今まで動揺なんてしたことはない。周りからはあまり感情が表に出ない女の子だと普段から言われているのだ。
――こんな風になるのはきっと貴方だから。
その感情を何と呼ぶのか、リザにはまだ分からなかったけれど。
「じゃあ、いいです。見ているだけは止めにします。何かお話しますからマスタングさんは適当にお返事をしてて下さい」
「了解」
おどけたように親指を上げて、にっこりと笑うロイを見ているだけでリザは心臓の鼓動が落ち着かなくなる気がした。
きっとこれもコーヒーのカフェインのせいなんだ。
そう自分自身を納得させて、リザは長い夜をやり過ごすためにさて何から話そうかと思案する。
こうやって、誰かとおしゃべりする事だって以前のリザにとっては珍しいことだった。でも、ロイと出会ってからはリザの珍しいことは当たり前の日常にと変化していった。
これからはきっと、コーヒーをロイのために淹れるてやることも、そのコーヒーを一緒に飲んでまた眠れなくなることも、リザにとって当たり前の日常になっていくに違いない。
それはリザにとって、少しも嫌ではなかった。
「ご近所に住んでいる猫に子猫が生まれたんですよ。とっても可愛いんです」
「へえ……毛並みはどんななの?」
「黒と白の子と……茶色の毛の子と……」


少年と少女が語り明かして夜が更けていく。やがてしゃべり疲れて少女が眠りにつくと、少年はその体に毛布をかけてやったのだった。






えっと、未来のマスタングさんはカフェインには媚薬効果があるから飲め飲めとリザたんにいれたげて、リザたんにあの頃の純粋綺麗なマスタングさんはどこいったのーとか思われる。
仔ロイアイのいっちゃらいっちゃらするお話を書きたかったのです。


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続き
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by netzeth | 2015-02-01 23:06 | 日記 | Comments(0)