うめ屋


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もうすぐ12月ですね。

この土日ですっかり冬装備に衣替えをいたしました。暖房器具も倉庫から引っ張り出しまして既にフル回転です。二桁気温があるのに寒いと震えているようでは北国の方に申し訳ないですね。


昨日の羽生君の演技、録画失敗してショック。あの素晴らしい演技を見損ねるなんて……!あっちこっちのニュース番組でみましたけど、やっぱり本放送が見たかったです。そして、本日はエキシビションをみるなり。女子の宮原さんの翼を下さいでフライアウェイ♪と歌いそうになる狩野英孝の罠。
ところでキスクラのところにずっとプーさん置いてあってNHKが羽生くんに寄せてきている…!と思ってたけど、あれプーさんじゃなくてイタチのNHKのマスコットだとか。でも、秘かにプーさん仕様にしてたよね?黄色に赤いの着てたし。羽生くん常にプーさん抱えているのでホンマにかわええなあ(*´ω`*)

 
そういえば。今日は肉の日……ではなくて。サイト6周年だったりします。何かしら作品をあげようと思っていたのですが、全然できませんで。がっくし。ああ、もう6年も経ってしまったのですね。時の流れの速さに呆然とし、原作が終わってからの年月を思ってしまいます。これまでもこれからもロイアイ大好きなので二人のお話もっともっと書いて行きたいなあと思います。


 
拍手ありがとうございます!
元気を頂いております♪

以下続きから拍手コメント(11/29分)のお返事です。




続き
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by netzeth | 2015-11-29 17:33 | 日記 | Comments(2)

三連休をだらだらして過ごしました、うめこですこんばんは。本当に生産的なこと一切してなくてビビる。三日のうち二日は家を出なかったし。菓子食って寝てゴロゴロスマホ見て、とかしてました。めっちゃダメな人ですww

リザたんの愛について考えておりました。リザたんの愛って、「貴方がいれば世界が滅んでもいい」じゃなくて「貴方が世界を滅ぼすなら私が殺す」だなあと。うん、どっちも好き。

テレビで見たのですが、今はもう「なう」は死語だとか。マジですか。う~ん、普段流行り廃りに接していないせいで、さっぱり分からないです。特にネット用語は疎いです。あーいうのまとめて日々新しい言葉を更新してくれているようなサイトないですかね。

SSを更新しました。ちょっと遅れましたが、いい夫婦の日にちなんで仲良しなロイアイで。


拍手ありがとうございます(^^)
いつも大変励みになっております!






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by netzeth | 2015-11-24 00:32 | 日記 | Comments(0)

謙虚な彼女の大きな自慢

 夕暮れに赤く染まる街を眺めながら、ロイはコーヒーをすすっていた。舌にほろりと苦く、深い香りがお気に入りのブレンド。このコーヒーが飲みたくて、街に出ればロイは大抵このカフェに立ち寄っている。
 読書用の眼鏡をかけ、窓際の席で本を読む。仕事が多忙でずっと積ん読していたとある錬金術師の著書だ。ようやく時間がとれたこの機会を逃すまいと、こうして街に出た合間の時間も惜しんで読んでいたのだが。
(さて。暇をどう埋めようか)
 あまりに熱心に読んでいたのが災いしたのか、本はすぐに読み終えてしまった。読み返せばいいだけの話だが、一度頭に入れた理論をもう一度繰り返すのは不毛に思えた。
 だったら、本を持ってカフェを出ればいい。しかし、ロイにはカフェを離れられない理由があった。
「……まだ、来ないか」
 そう、現在ロイは買い物中の連れを待っているのである。
 女性という生き物の買い物は長いと相場が決まっている。もう三十分ほどは時間を潰していなければならないだろう。
 パタンっと本を閉じるとそれをテーブルに置いて、コーヒーのお代わりを頼む。それから何となく手持ちぶさたになり、腕を組んで暮れていく街並みに視線をやった。
 そうして意識が本から逸れると、途端に周囲の喧噪が気になってくる。夕刻のカフェは大層賑わっていて、そこかしこから楽しげに会話する声が漏れ聞こえて来た。
 愛を囁きあっているカップル、かしましく雑談をするグループ、ゴシップに花を咲かせる仕事帰りの女性達。中には「ほら、あの窓際の男の人、素敵じゃない?」「ほんと、かっこいい!」「独りかしら?」「ねえねえ。声、かけてみる?」なんて、声も聞こえたりして。
 平静を装いながらも、なんとなく居住まいを正すロイである。

「やっぱりあなたの髪って綺麗ね!」
「本当、艶があって綺麗な色をしていて……羨ましいわ」
「ふふふ、ありがとう。髪だけは自慢なの」

 その時、ロイの一番近くの席からそんな話し声が聞こえてきた。一際華やかで騒がしい女性グループの声だ。彼女たちは夢中になっておしゃべりを楽しんでいる。

「そういうあなたはスタイルよくって羨ましいわね。脚も細いし、一体どうやってスタイルキープしているの?」
「実は何もしてないのよ」
「えー! うそー!」
「本当。うふふ、この体質が私の自慢かな」
「いいわね。でも、私もお肌の綺麗さなら負けてないわよ!」
「あら、本当、すごくすべすべしてるのね」
「ええ、とっても自慢なの!」

 何となく気になって、ロイは横目でその女性達を観察してみた。確かに自慢するだけのことはあり、皆一様に美しい女性達である。まるで自慢ポイントを見せびらかすような、気合いの入った化粧といいヘアースタイルといい服装といい、外見からして女としての自信にあふれていた。

(なるほど……)

 アメストリスの女性は美人が多いと言われている。まして、ここはその中でも特に美人ぞろいとうたわれる、東部。己の容姿に絶対の自信を持つ女性が多いのも頷ける。そして、一般的なアメストリスの女性はそれを隠したり否定したりはしないのだ。遠く東の島国などは女性は慎み深く謙虚なものであり、美しさをひけらかしたり何かを自慢するということははしたないことだと思われているらしいが。

 などと、考えている間に女性達が席を立つ。会計に向かう途中にロイの席を通りがかりすれ違いざまにぱちんとウィンクをしてよこした。それを余裕の笑みで受け止めて。また、なるほど、と思う。
 自分に自信があるから、こうやって異性へのアピールも積極的に行うのだ。これが、一般的なアメストリスの女性というものだ。
 
「なかなか、興味深いな……」
「何が、ですか?」

 突然降ってきた声に、ぎょっとして振り返ると待ち人であるリザが立っていた。彼女は大きな荷物を両手に抱えてどこか満足げな顔をしていた。

「あ、ああ、中尉。戻ったか」
「はい。ずいぶんお待たせしてしまって、申し訳ありませんでした」
「いいや、構わないよ。それよりも、欲しいものは買えたかい?」
「はい。どのお店もずいぶんとお安くなっていまして、買いすぎてしまいました。ほら、見て下さい。この店のスタンプカード、いっぱいになったんですよ!」
 
 普段口数の少ないリザが珍しく興奮したように、カードを差し出してくる。骨つき肉の形をしたスタンプが幾つも並んでいるそれには、全部たまったら豪華どでかい羊肉をプレゼント! とでかでかと書かれていた。

「肉屋のスタンプカードなんだね……」
「早速交換してきました。大佐、今夜はラム肉ですよ? さ、急いで帰りましょう」

 にこにこほくほく顔なリザに促されて、ロイはそのままカフェを出た。さりげなく彼女の持つ両手の荷物を奪ってから、先を歩くリザの背中を見つめた。

 買い物をして来たいというから、何かと思えば肉。その他は野菜などの食材やトイレットペーパーといった日用品。リザが購入してきたのはそんなものばかりだった。
 てっきり化粧品や洋服、靴にバッグなどが目的だと思っていたのに。
 美人ぞろいのアメストリス女の中にあっても、抜きんでた美貌の持ち主であるというのに、彼女には自分の美しさを磨こうという気はないようだ。
 もったいないと思うと同時に、リザは一体何を自慢にして生きているのだろうという疑問が湧く。
 女なら誰しも、己の中に何か誇れるものがあるはずだ。リザは輝く金色の髪も、なめらかな白い肌も、ボンキュボンのスタイルも持っているというのに。
 もっと自慢を誇示し、承認欲求を持ってもいいとロイには思えた。いつも慎み深く、常に他人を優先する謙虚なリザにはそれくらいの欲張りがちょうどいい。
 
「……なあ、中尉」
「何ですか?」
「君には何か自慢に思うことはないのか?」
「自慢……ですか?」
「そうだ。他人に誇れること。すごいだろうって、見せびらかしたくなるような、何か、だ」

 ずっと禁欲的に生きてきた彼女でも、それくらい許されるはずだ。
 
「そうですね……」
 一瞬考え込んだリザだったが、あっさりと答えは出たようで。
「ありますよ」
「なんだ?」
「……私の自慢は、たまの休日をお買い物につきあってくれて、荷物持ちまでしてくれる優しい恋人がいるということでしょうか」
「なっ……」

 不意打ちの告白に、思わず顔が赤くなる。どんな女性に何を言われようが平然としていられるロイだが、一番大事な女からの攻撃には弱い。

「そ、そういうことではなくてだなっもっと容姿とか……わ、私をからかっているのか!?」
「いいえ? 正真正銘これが私の自慢ですよ。だって、美女にウィンクをされるようなとびっきりのいい男が恋人なんですもの」
「み、見てたのか!?」
「ええ、見てましたよ」
 
 澄まし顔で言うリザに、ロイは慌てて、しなくてもいい言い訳をしてしまう。

「あ、あれは誤解でっ、私は別に何も下心など…っ、ただの挨拶で……っ」
「ええ、分かっておりますよ。……私の自慢の恋人なんですもの。女性に色目など使いませんよね?」
「も、もちろんだ!」

 くすくす笑うリザに、居心地の悪い思いをしながらも、しかしロイの胸を内は弾んでいた。
 何故なら、ロイの自慢もこうして仲良くからかったり笑いあったり出来、夕食を共に出来る美しい恋人がいることなのだから。

「さ、早く帰りましょう。今夜は肉祭りですよ?」
「た、楽しみだな……」

 そうして、いよいよ暗くなってきたイーストシティを、一組の男女が足早に歩いていく。寄り添うように歩くその姿は、誰からも羨ましがられるような仲の良い様子であった。



END
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by netzeth | 2015-11-24 00:16 | Comments(0)

ハボラスのはなし。

最近アイスの実にハマっておりますうめこです、こんばんはー。抹茶味ウママー( ゚д゚) 新発売のモカも最高ですた。こんな美味しい食べ物どうして今まで食べてこなかったのだろう。もう冬が始まる季節になってようやく食べ始めた。

何巻か忘れてしまったのですが、(ちょっと探してみたけど見つからなかった)ラストが煙草をくわえてどうしてあいつはこんなもの吸うのかしら?みたなラフスケッチ画あったじゃないですか。あれみてかなりハボラスに心が震えましたね。だってハボが吸ってたから興味を持って自分も吸ってみたんだよ?めちゃくちゃ美味しい行動だと思うのですが。ロイアイで置き換えて若ロイがこっそり吸ってて、仔リザたんがそれ見てマスタングさんが吸っているから私も!ってなるんですよ?それを目撃したロイが「女の子は将来赤ちゃんのために吸っちゃダメだ!」とかリザたんに懇願するのですって、これまた逆にハボラスに置き換えたらめっちゃ切ないシチュですね。だって、ハボがホムンクルスであるラストに子供のために吸っちゃダメっすよ!って言うんだよ? ラストは何を思うのか……ハボラスは(原作の展開的にも)どうしても悲恋になってしまいそうですね。(個人的にはラストがホムから寝返ってハボと……みたな展開も見てみたかった気がしますが。それだとハボさんもっと報われたのにねえ……)

ツイッターで見かけた化粧水の後顔にニベア塗って蒸しタオルしばらく乗せてからふき取る……というのをやってみてとっても良かったです。お肌がしっとりしてます。ただ、蒸しタオルを作るのがめんどくさくて仕方がない。ただ濡れタオルをレンチンするだけなんですけどね。蒸しタオルを常備しておける機械とかないんかな。美容院とかで見た気がします。きっとこの世の中のどこかにはあるのでしょうが、電気代がめっさかかりそう……。


拍手ありがとうございます(^^)



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by netzeth | 2015-11-20 23:30 | 日記 | Comments(0)

理由

 計画では副官と二人、静かにデスクワークにいそしむはずが。思わぬお邪魔虫の登場により、ロイの執務室はたいそう騒々しい。

「なーなー大佐ー早くしてくれよっ、急いでるんだよ、こっちは!」
「……うるさい、夜まで待てと言っているだろう。悪いがこっちの仕事が優先だ」

 ロイを毛嫌いしているくせに、何のかんの理由をつけては律儀に顔を見せに来る豆――もとい、鋼の錬金術師エドワード・エルリック。彼は小さな体躯に似合わぬ大声で不平を叫ぶ。

「んなに待ってらんねーよ! こっちは賢者の石関連の情報が入って今すぐにでも飛んで行きたいってーの。おっさんと違って俺らには時間がねーの! 時間が!」
「誰がおっさんだ。私はまだ二十代だ。上官への口の聞き方に気をつけたまえ? うっかり君の願い事を忘れてしまうかもしれんぞ?」
「……う」
 
 軽く脅しをかければ、頼む者と頼まれる者の立場を思い出したのか、エドワードが言葉に詰まる。そのままむくれたように口を尖らせるのを見やって、やれやれ大人げなかったかな、とロイは内心苦笑した。たいそうな資格を持ち大人と対等に渡り合う少年だが、まだまだ内面は子供なのだ。

「……君が望む軍管理下の土地への立ち入り許可を得るには、まず申請書を作成せねばならない。それに私と将軍のサイン及び、土地を管理している司令部の責任者のサインも必要となる。どちらにしろ今すぐにどうにか出来る代物ではないのだよ」
「だあってよぉ……」
「焦る気持ちは分かるが、落ち着きたまえ」

 諭すように言っても、エドワードは納得しかねる様子だった。無理もない。元の体に戻るために宛ての無い旅を続けている彼ら兄弟にとって、賢者の石の情報は闇の中に見いだした一筋の光明。それを見失う前に動きたいと思うのは当然だろう。  

「だったら早く、その申請書とやらを作成してくれよ。あんたさっきからその書類の山とばっかり戦ってて、何にもしてくれてねーじゃんか」
 
 エドワードにとってはロイが自分たちのことをないがしろにしているように見えて、それが不満なのだ。だが、ロイがやっている書類は書類で重要なものである。兄弟ばかりを優遇する訳にもいかないのだ。

「効率性を優先したまでだ。どっちみちグラマン将軍はおられない。戻られるのは夜になる。だから、今すぐ申請書類を作成した所で意味はない」
「そんなぁ……」

 がっくりと肩を落としたエドワードだが、こればかりはロイにもどうにも出来ない。可哀想だが、最初に言ったとおり夜まで待てと言うほかないのだ。
 その時である。

「エドワード君、申請書を作って来たわ。ここに申請理由を書いてくれる? もちろん賢者の石のことはふせて当たり障りが無い理由でね」
「え!? ほんと、ホークアイ中尉!」

 ロイの執務室に入って来たリザが差し出した書類を目にして、エドワードの顔が喜びに輝く。

「中尉。何故君が……」
「先ほどアルフォンス君と会いまして、話を聞きました。この書類が必要になるかと思われましたので作成したまでです。幸い書式は決まっておりましたから」
「さっすが、中尉! 誰かさんと違って有能だよな~!」

 満面の笑みでペンを握るエドワードの言葉にロイは渋面を作る。例え事実だとしても年下にバカにされるのは、愉快ではない。

「……だが、書類が出来た所で将軍のサインがなければ無意味だぞ」
「それなのですが。将軍の秘書官と先ほど連絡がとれました。少し早い汽車でお戻りになると。申請書類を持ってくればその場ですぐにサインをしてくれるそうです。列車の到着時刻を聞いているわ。エドワード君、この書類をもって駅で待っていなさい。そうしたらそのまますぐにイーストシティをたてるでしょう? 向こうの司令部の責任者には連絡しておくわ。あちらですぐにサインを貰えるように」

 悔し紛れに負け惜しみのようなことを言ってみても、鮮やかな手際でリザに覆された。二の句が告げず口をぱくぱくさせているうちに、エドワードが書き終えた申請書を差し出されてしまう。

「さ、大佐。大佐のサインをしてあげて下さい」
「う、うむ……」

 サインを拒む理由が一切無くなってしまったので、仕方なくロイは申請書にサインをしてやった。それを受け取ったエドワードは勝ち誇った顔をしている。

「サンキュ! 中尉。恩に着るよ! いや~本当に、ホークアイ中尉は有能だよな!!」
「どういたしまして」

 本当に何から何まで遺漏なく算段を整えられて、エドワードの目的はあっという間に達成されてしまった。最初から中尉に頼めば良かったぜ~と彼が失礼なことを口走っても、ロイには反論の言葉はなかった。
 何故なら全てその通りだからである。
 ことデスクワークに関して。いや、仕事全般の手際において、リザの手腕は見事なものである。その判断力と行動力、さらに女性特有の細やかな気遣いで、彼女が手配すれば物事は全てにおいてスムーズに運ぶ。
 本当に優秀な副官なのだ。

「それに比べて大佐はさー、こーんなに書類ためてのろのろのろのろやってるしさー無能だよなー」
 
 当てつけのように言われるエドワードの皮肉にも言い返すことが出来ず、ロイは憮然とする。だが、代わりにこれも副官の勤めとばかりにリザがやんわりと言ってくれた。

「仕方ないのよ、エドワード君。大佐はお忙しい身なの」
「何に忙しくてこんなに書類ためたの?」
「三日前は街を視察と称して徘徊して、一昨日は夜デートに出かけてしまって、昨日はサボって中庭で昼寝をして……かしらね」
「見限っちまえよ、こんなブラック上司」
「ふふ、そういう訳にもいかないのよ」

 半眼でエドワードがリザをけしかけるが、彼女はちょっと困ったように微笑むのみ。
 ロイはその笑みに隠された彼女の理由を知っている。優秀な彼女がロイ見限らない理由を。
 リザが自分を見捨てることはない。彼女は捨てない。何故ならその前に彼女自身の手で処分を下すからだ。
 それはリザが自分自身に課した、誓いだ。
 ロイを監視する者として、彼女はずっとそばに居てくれるだろう。何があっても。その手でロイを撃つまでは。
 だから、リザがロイに助力するのは、彼女にとってはほとんど義務みたいなもの。そこにロイが望むものは存在しない。どこまでも冷たい論理のみ。そう、彼女とロイの間には、まだまだ深い溝が存在する。
 それを思うと、ロイはいつも虚しく寂しい心持ちになるのだ。だが、その度に仕方がないことだと自分自身を納得させるしかない。

「大佐? 手が止まっておりますが。今夜までにそちらの書類を終わらせて頂けませんと困ります」
「んっとに、大佐はしょーがねーなー」

 大切な女の容赦のない言葉と、生意気な年下の呆れた声がロイに突き刺さる。こんなにハートがささくれ立っていても、仕事は待ってくれない。
 はあっとロイはため息を吐いた。
 市中徘徊は街の守護を預かるものとして自身の目で市民の暮らしぶりを見たいからであるし、夜デートは情報収集の一環だし、昼寝はデートのせいで寝不足だったから。
 全てきちんと理由があるのだが、今更主張してもただの言い訳にしか聞こえないだろう。信じて貰えまい。
 我ながら損な性分だが、仕方がない。いつか誰かが分かってくれるだろう。

「んとにさー中尉。どうしてこんなブラックな上司見捨てねえの?」
 
 黙れ、豆。と、とりあえず大人の苦労と努力と純情を絶対に分かってくれそうにない少年に心の中で毒づいていた、その時。
 ロイの美しい副官はとんでもない爆弾を落としてくれた。

「そうね。惚れた弱みかしら」
「え?」
 
 エドワードの惚けた声を聞きながら、がたんっと盛大に音を立ててロイは椅子から転げ落ちた。

「もう? 大佐。何をやっているのですか。この書類、夜までに終わらせて下さいませんと困りますと申し上げたでしょう。今夜は大佐のお好きなお料理を振る舞おうと準備していますのに」
「え? え? え? え? え?」
「お疲れでしょうから、栄養のあるものを用意しますね」

 え? しか言葉を発しないエドワードと淡々ととんでもないことを口走る副官。

(…………私は彼女との溝を埋めるべきだ。早急に!)
 
 二人の関係性の認識のずれや己の思い違い。反省することは多々あれど、とりあえずじっくりゆっくりリザと話し合わなければなるまいと、ロイは心に決めるのであった。


END
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by netzeth | 2015-11-19 01:18 | Comments(0)

年末に向けて

少々気が早いですが、年末に向けて忙しくなって参りました。仕事も早出で眠いです。
普段冗談とか言わない兄が「ジョジョと処女って似てない?」と真面目な顔で言っていたので心配してるうめこですこんばんは。ジョジョ4部アニメ化そんなに嬉しかったのかな……。(兄妹そろってジョジョ好き)

あ~あ~私が石油王だったら鋼のDVD買いまくって新劇場版とか作ってもらうのに~とか考えたことが過去ありましたが、世の中のお仲間の皆さんも同じ考えのようで自分が石油王だったらなあ……と呟いておられるのを目にします。考えたんだけどオタクな自分が石油王になるのではなく既存の石油王を日本のアニメ漫画ゲームオタクにするように働きかけていこ?逆に。と発想の転換をいたしました。まずどうやって石油王とコンタクトを取るのかが難問だ。



拍手ありがとうございます(^^)
レス不要でコメントを下さったお方様もありがとうございました!
一言失礼をば。
ありがたいお言葉とっても嬉しいです(*´ω`*)どうぞいつでもいらして下さいね♪




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by netzeth | 2015-11-16 21:54 | 日記 | Comments(0)

お宝写真

 東方司令部司令官執務室には小部屋が付属している。そこは本来司令官が着替えなどに使用するために用意されている部屋だ。だが、私の上司であるロイ・マスタング大佐は一般兵と一緒に男子ロッカールームで着替えるのを厭わないため、現在は資料置き場となっている。
 さて、副官という立場上私はよくこの小部屋に籠もることがある。業務に使用する頻度の高い資料及び文献がここに置いてあるからだ。遠くの資料室まで取りに行く必要がないため、大変助かっている。
 本日もここで、書類作成のための参考資料をピックアップしていた所だ。マスタング大佐が軍議から戻ったら書類と共に差し出して無言の圧力をかけ、即仕事に取りかかって貰うために。
 だが、このように私にとっては大変ありがたく便利なこの小部屋も一つだけ欠点がある。大変壁と扉が薄いということだ。きっと予算をケチって手抜き工事をしたに違いない。まったく迷惑な話である。
 だから。

「俺は見た! マスタング大佐がお宝写真を持っているのを!」

 ……中にこもりっきりでいると、このように図らずも盗み聞きをしてしまうことになるのだ。

「お宝写真……ですか?」
「ハボ……おっまえ、そんな下らないことで俺らを呼びつけたのかよ」
「まったくですな。貴重な休息時間がもったいない」

 聞き慣れた部下達の声がする。どうやら彼らは私が居ることに気づいていないようだ。主が不在の執務室に彼らは一体何の用があってやって来たのやら。すぐに出て行ってここは休息所じゃないと叱ってもいいが、少し興味が引かれて、もう少し様子をみることにした。

「まあまあ、まずは聞け、お前ら。そうしたらお前らだって大佐の写真に興味を持つはずだぜ?」

 もったい付けたようにしゃべっているのはハボック少尉だ。得意げなその声で、ちっちっちと指をふる仕草まで鮮明に想像出来る。

「大佐が肌身離さず持っている手帳があるのを知ってるか?」
「はい。よくデート予定を書き込んでおられますね。噂では女性の名前でびっしり埋まっているとか……」
「そう、その手帳だ!」

 彼らは知らないだろうが、あれは大佐のスケジュール帳ではない。彼の錬金術の研究手帳だ。彼が女性名を暗号として記録しているのを私は知っている。錬金術師にとって己の研究成果を記したものは命と等価と言ってもいい。肌身離さず持っているのはそれだけ大事なものだからだ。 

「あの手帳によ、写真が挟まっているのを俺は目撃したんだ……しかも、大佐、その写真をことあるごとに取り出してはこっそり眺めてるんだぜ? 俺は何度かその姿を見たんだが……こう、締まりのないニヤケた顔しててさ」
「あ! それなら、僕も見たことあるかもしれません! 執務室にお邪魔した時大佐、何かを一心に眺めてました。すっごく幸せそうな顔をしていて……で、僕に気づいて慌てて懐にしまって……」
「そう、それだよ、それ。俺が言いたい写真は!……俺はピンと来た。あの大佐があんだけだらしのない顔してるんだ、あれはムフフなお宝写真だと!」
「……お前のその発想の飛躍に俺は感心するよ」
「なんだと!? どー考えてもそうとしか思えねーだろ!? そして、あの女に不自由してない大佐をニヤケさせるブツだぞ!? 見たいだろ!?」
「お宝写真ならお前だっていつもポケットに入れてんだろ。月刊プレイボーイ巨乳グラビアアイドルフレンダちゃんの切り抜き」
「うっせー! あんな印刷物と一緒にすんなっ! あっちは幾重にも人の手が入った言わば作り物。かたやこっちは生写真! 生だぞ、なま!?」
「どの辺りが違うのでしょうか……」
「さあ……ハボック少尉の中ではマネキンとダッチワイフくらいには違うじゃないですか」
「とにかく! 今日皆をここに呼んだのは他でもない! 俺は大佐の写真が見たい! 見たくて見たくて見た過ぎて実は3日で27時間くらいしか寝てない!」
「めっちゃ寝てんな……」
「ですが大佐の秘蔵のお宝写真……確かに興味が引かれますな」
「だろだろ!? 大佐のことだ、きっと際どいぱっかーんな攻めた写真のはずだぜ……?」
「その無駄な想像力を発揮するお前の頭の中を俺はぱっかーんして見てみたいがな」 
「ぱ……ぱっかーん……そ、そんなふしだらな写真を大佐が持っているなんて……でもどんな写真なのか僕も興味があります」
「ふっふっふっ、だろ? フュリー。俺に任せろ。策は労してある」
「どうする気だ?」
「いくら大佐が肌身離さず手帳を持っていようとも、あの手帳が紙である以上、絶対に持ち込めない場所がこの司令部内に一つある!!」
「あっ! シャワー室!」
「そうだ。大佐がシャワーを浴びてる隙に拝ませてもらう。既に大佐がシャワー室を使用する時間も押さえてある」
「すごいです。ハボック少尉!」
「もっとその情熱を他に使えよ……」
「とにかくっ明日、ここに集合な。大佐はまた同じ時間に軍議だ。その時に俺の見たものを報告するぜ」 
「ところで、どうしてここ何です?」
「そりゃあ、ここなら他の奴らに絶対に聞かれないからな」
「なるほど……」


 ……休息時間に彼らがどんな会話をしようと関与出来はしないが、ぱっかーんは無いだろうぱっかーんは。
 あまりに低俗な会話に頭痛すらしてくる。
 完全に出るタイミングを逸した私は、結局最後まで彼らの会話を盗み聞きすることになってしまったわけだが。そうこうしているうちに部下達は部屋を出ていってしまった。もうすぐ大佐が戻って来る時間だからだろう。
 ――彼らの犯行? を止めるべきだろうか。
 ハボック少尉のやろうとしていることは明らかにプライバシーの侵害である。しかも、上官の私物を漁ろうと言うのだ。発覚したら反逆罪が適用されてしまうかも。そして、大佐はムフフなぱっかーん写真を部下に見られてしまうのだ……。
 
 ま、いいか。

 3秒くらい考えて、私は結論を出した。
 大佐のスケベ心が暴かれ威厳が地に落ちようとも、特に困ることはない。何を今更だ。
 あ、むしろ写真を脅しの材料として使うというのはどうだろう。我ながらグッドアイディアだ。大佐が仕事を嫌がるたびに、写真の話題をチラつかせてやれば……きっと彼は青ざめ大汗をかいて言うことをきいてくれるに違いない! 
 ああ、なんて素晴らしいのだろう。


 というわけで。
 大佐を脅す……ごほんっ、真実を見極めるために、私は次の日また同じ時間に執務室の小部屋にいた。盗み聞き? 人聞きの悪い。私はただたまたまこの時間に資料整理をしているだけだ。

「で? どうだったんだよ結局」
「僕すごく気になって、仕事が手につきませんでした~!」

 時間になると彼らが集まって来た。私は思わず息を殺して彼らの会話に耳を澄ませた。

「写真は見られたのですか?」
「や、やっぱり、ぱっかーん…だったんですか!?」
「あ、ああ……写真は見た」

 念願叶ってお宝写真を拝んだというのに、ハボック少尉の返答はどうにも歯切れが悪い。もっと興奮していてもよさそうなものだ。

「写真は見た……が」
「が?」
「い、犬の写真だった」
「うげっ!! い、犬ぅ!?」
「なんだ犬ですか……」 
 何とも意外な結果にブレダ少尉が珍しく素っ頓狂な声を上げ、ファルマン准尉が拍子抜けと言ったように呟いた。
「犬ってどんな子ですか? 可愛いですか? 犬種は? モフモフですか!?」
「聞くなフュリー! 犬の話なんて聞きたくない!!」
 盛り下がる他男性陣とは裏腹にフュリー曹長が食いついている。私も食いついた。女の写真になど興味は引かれなかったが、犬の写真となると俄然見てみたい気がした。あの大佐が写真を持ち歩くほどの犬の写真……どんな子なのだろう。

「……可愛い、かな」
「……なんだよ、ずいぶん曖昧な答えだな。まあ、詳細になんて俺は聞きたくないが。……お前本当に写真を見たんだろうな?」
「嘘じゃねぇ! 写真は見た!……と、とにかく可愛い犬の写真だったんだよっ! 以上報告終わり!!」
「え~! 犬のこともっと教えて下さいよ~!」

 ドキドキ大佐のお宝写真報告会はこうしてハボック少尉により、一方的に打ち切られてしまった。彼はどうもこの話題をあまり続けたくないように思えた。せっかくのぱっかーん写真がただの犬の写真だったから、意気消沈したのだろうか。どっちにしろ声しか聞いていない私には判断材料が足りなかった。 
 私も正直、拍子抜けした気分だ。
 女の写真だったら、仕事のカンフル剤として活用しようともくろんでいたのが水の泡だ。
 だが、大佐の犬の写真……はかなり興味が引かれる。犬は好きだと公言している彼だが、ペットを飼うような性分ではないと思っていたのに。一体大佐はどんな犬を飼っているのだろう。写真を常に持ち歩き、ニヤケた顔で眺めているのだ。きっととても可愛がっているのだろう。
 そんな彼の姿を想像すると、ますます写真を見てみたい衝動に駆られた。
 
 そうして。後日。

 現在私の目の前に問題の手帳が置かれていて。誰がこの誘惑に勝てるだろうか。大佐は不用心にも、机に研究手帳を置いたまま席を外してしまった。いや、きっと私が居るからと油断しているのだろう。
 その信頼は嬉しく、それを裏切るとなると良心が咎めたが、私は我慢が出来ず手帳に手を伸ばしてしまった。見れば手帳からは件の写真がはみ出している。すっとそれを引き出してみた。
 
 ……見なければ良かった。私は即座に後悔した。あの人はこんなものを後生大事に持ち歩き、眺めてニヤニヤしていたというの。
 
「……中尉? あああ! だ、ダメだ! それは私の……っ」

 その時だった。不意に大佐の声が近くでした。写真に気を取られていた私は彼の入室に気がついていなかったらしい。私が何をしているか、何を見ているかに瞬時に気がついた彼は、ものすごいスピードで迫って来て私から写真を取り上げてしまった。

「なっ、何を人のものを見ているんだ!!」
 大佐の非難は正しい。人の私物を勝手に見たのは私だ。だが、私は反論した。
「私にはその権利があります! な、なんですか! その写真は……!」

 そう、そこに写っていたのは犬は犬でも、大佐の狗。……私の写真だった。それも、何とも油断しきっただらしなく緩んだ……笑顔の写真だ。こんな恥ずかしい写真、一体どうしたのだろう。
 と、そこで私は写真について一つだけ心当たりがあるのを思い出した。そうだ。あれは以前不覚にも親友に撮られてしまった写真だ。

「どうやって手に入れて……」

 そこまで口にして、それが愚問だとすぐに気づく。そんなの写真を撮影した親友が焼き増ししたに決まっている。悪戯心満載の彼女がきっと大佐に渡したのだ。抜け目の無い彼女のことだ、きっと交換条件にエリートイケメンを紹介して貰ったに違いない。

「とにかくっ、その写真を渡して下さい! 没収します!」
「だ、ダメだ! これは私の癒し……宝物なんだ!」

 言わないで下さい、恥ずかしい。

「そんなもの仕事中に眺めて幸せそうな顔してないで下さい!」
 まして、それを部下に目撃されているなんて。そんな羞恥プレイ耐えられない。
「し、仕方ないだろ! これを見ると元気が出るんだ!」
「だからっ、そんな恥ずかしいこと堂々とおっしゃらないで下さい!!」

 ハボック少尉が言葉を濁すはずだ。彼はあの、女に対してはイケイケな大佐の純情をかいま見てしまったのだから。さすがに彼も罪悪感に駆られてあんな嘘をついたのだろう。
 ……いや、嘘ではないか。ただ、真実ではなかっただけ。
 彼が見た写真は犬は犬でもあの人の狗だった。

「頼むっ! これがあると癒されて仕事もはかどるんだ!」
「目の前に本人がいるじゃないですか!」
「君は私の前ではこんな風に笑ってくれないじゃないか!」   
「そんなことありません! 仕事のためならやります!」
「やめてくれ! 君ににっこり笑ってお仕事して下さい☆なんて言われたら、脅されているようにしか思えない! 私はあくまでも君の自然な笑顔が見たいんだ……!!」

 ……私はもう少し、彼の前で自然に笑う努力をすべきだろうか。

 顔を赤くしながら主張する大佐を見て、私は少しだけ反省をした。 


  
END
******************** 
この中尉の写真は軍部写真集合の中のあれで。

  


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by netzeth | 2015-11-15 02:29 | Comments(0)

11月

なんか腰痛めている間に11月になってた感じです。というか11月三分の一過ぎてるじゃん!今年ももう二か月切ってるやん!そんなっ嘘!

11月って何があるんだろ…と考え、いい夫婦の日があるなあと思いつく。とりあえず真剣な顔で結婚しましょうと迫るリザたんを商店街の夫婦割引が目当てだな!?と看破する大佐の映像だけ思い浮かびました。真面目やシリアスが行方不明。

冬コミに出ないのでのんびりモードですが、のんびりしているとすぐに年が明けますな。そしたら、ガソガソオンリーまで待ったなしじゃね?そもそも12月は仕事繁忙期で原稿やってる気力なさげなので、やるとしたら11月じゃね?と思いついたけどノープラン。

椅子と机がようやく来たので、SS書きました。やまなしおちなしいみなしなお話ですがよろしければ。床に座ってやるより腰に負担がないと思いたい。


拍手ありがとうございます(^^)
その1ポチで元気出ます!

レス不要でコメントを下さったお方様もありがとうございました!
だましだまし何とかやっております~(笑) 
ロイが本当に恐怖するのは常にリザたん関連だと思います(笑) 






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by netzeth | 2015-11-10 00:36 | 日記 | Comments(0)

夜雨

 幼い頃の私はとても怖がりな子供だった。
 庭に出没する大きなカエル、夜の闇、人気のない無駄に広い屋敷、夜中に降る雨――。
 大人だったならばどうと言うこともない、ほんの小さなことを執拗に恐れていた。
 こういう時、普通の子供ならば親を頼るのだろう。しかし、早くに母を亡くし愛情表現が不器用というか壊滅的だった父の元育った私は頼るべき温もりを知らなかった。
 陰鬱な長雨が降る夜は、毛布をかぶり激しい雨音を聞かないフリをしてやり過ごしていた。眠れないそんな夜が私はとても嫌いだった。
 
 それが変化したのは――その夜が好きになったのは、彼が家にやって来てからだったと思う。

 

真っ暗な廊下を壁伝いに歩いて、そのまま階段を昇った。ぎぃという不気味な音を聞き流しながら二階に上がると、半開きのドアから一条の光が漏れていた。
 ああ、良かった。やっぱりまだ起きていた。
 光に引き寄せられるように私はその部屋の中へと急ぐ。目に飛び込んできたのは大きく頼もしい背中だった。
「あの……マスタングさん」
「ん? リザ。まだ起きていたのかい?」
「……ごめんなさい」 
 おずおずと声をかけると、彼が振り返る。仄明るいランプの光がゆらゆらとゆれて、彼の顔に複雑な陰影を刻んでいた。それがまるで夜更かしを咎められているように思えて、思わず私は謝ってしまう。しかし、彼はそんな私に笑いかけてくれた。
「どうして謝るんだい? 夜更かしだというなら俺だって同罪だよ」
「でも……マスタングさんは、お勉強をしているのでしょう?」
 私はその邪魔までしてしまったのだ。父に知られたら、きっと叱られてしまう。父は常に錬金術を優先している人だ。私の身勝手でマスタングさんのお勉強を中断させてしまったと聞いたら、きっととても怒る。それは雨の夜を独りで過ごす恐怖よりも、怖かった。
 
 ああ、本当に私には怖いものばかり。臆病な子供だ。

「さあ、どうかな。ちょうど行き詰まっていたところで全然勉強ははかどってないよ。そろそろ寝ようかと思ってた」
「本当に?」
「ああ」
「じゃあ……少しだけ、一緒に眠ってもいいですか?」

 でも、彼と一緒なら私には怖いものはなかった。
 雨の夜は嫌いだ。
 雨が降り続いて、世界が溺れてしまうような不安に駆られるから雨は嫌い。
 けれど、マスタングさんがこの家に来て、私の怖いものは一つ一つ姿を消していった。
 庭のカエルを追っ払ってくれ、夜にはいつだって光にあふれた彼のいる部屋がある。彼の居る家は賑やかで、がらんどうの空虚さを恐れる必要はない。
 そして、夜に降る雨も――マスタングさんが一緒に眠ってくれるようになってからそれほど怖いものではなくなった。

「仕方ないな。師匠には内緒だよ」
「はい。お勉強の邪魔をしたって私、叱られてしまいますものね」
「……そういう意味じゃないんだけどな。むしろ、俺の方が……」
「え?」
「ううん。何でもない……師匠はリザが大切だって話さ」
「そんな。まさか」

 でも、マスタングさんにそう言って貰えたら本当にそうだったらいいな、と思えた。
 ……私の怖いものが全て無くなる日も近いかもしれない。

 私は早速マスタングさんの匂いがするベッドに潜り込む。明日は早起きして、ちゃんと自分の部屋に戻っておかなくちゃ。すると、ランプの火を消したマスタングさんも私の隣で横になった。ぴったりとくっついている訳じゃないけれど、温もりを感じた。
 人は……彼はとても暖かい。
「ほらリザ、眠って。子守歌でも歌う?」
「……あんまり子供扱いしないで下さい」
「こうやって男のベッドに平気で眠りに来なくなったらね」
「え?」
「……いいよ。こっちのこと」
「じゃあ、子守歌の代わりにお話して下さい」
「はなし? どんな? おとぎ話とか?」
「違います。マスタングさんのお勉強のお話がいいです」
「俺の勉強の話なんて聞いたってちっとも面白くないと思うけどなあ……」
「いんです。マスタングさんの好きなこと興味があることをお話して下さい」
 
 私が聞きたいのは彼の声だった。彼が楽しげに話すその声を聞いていたかった。わくわくしながら錬金術について語る彼が私は大好きだった。

「そうか……じゃあね…」
 マスタングさんの声を聞きながら、私は瞳を閉じる。もう、嫌な雨音なんて耳に入って来ない。
 彼の声をうっとりと聞きながら私はやがて眠りの世界に誘われていった。




 まるで熱帯のジャングルにいるような暑苦しさに目を覚ます。
 暑い。
 涼を得ようと毛布を剥ごうとして、私は私の腰を捕らえて離さぬ男に苦情を申し立てた。
「……暑いです。いい加減離して下さい」
「そうか、もっと熱くなる?」
「バカですか」
 起きていたのか呆れた答えがすぐに返る。それを容赦なく切り捨てて、私は彼を押しのけて起きあがる。
「くっつかないで下さい。暑いんです」
「……冷たいなあ。昔は一緒に寝て下さいって君の方からやって来たというのに。あの頃は可愛かったなあ……」
 大げさに嘆く彼を、私はギロリとにらみつけた。昔のことを持ち出すのは反則というものだ。
「すみませんね、可愛くない女に育って」
 ツンと拗ねたように唇を尖らせるパフォーマンス。すると、彼は慌ててご機嫌取りをし出す。
「訂正しよう。君は今も可愛いよ、中尉。さっきだってあんなに可愛く鳴き喘いで……っいて!」
 余計なことまで口を滑らせる男の頬を、おもっきりつねってやった。この人はいつも一言多いのだ。 
「貴方だって、昔はもっと誠実で紳士な少年だったのに。どこをどう間違ってこんなのに育ってしまったのでしょうね」
「よりによってこんなの扱い……? ひどいよ…リザさん……」
「今では雨の日は無能になるから護衛を兼ねて一緒に寝てくれ――なんて卑怯な誘い文句で女を自宅に連れ込んだ挙げ句、無体なことをするんですから、こんなの、で十分です」
「君だって嫌がってるのは最初だけで、最後はいつも官能に溺れて……いてててててっ!」
 どうやら彼はほっぺたで握力測定をして欲しいようだ。軍人として鍛えた成果を今、はりきってお見せしようではないか。
「痛い痛い痛い! 痛いよ! リザちゃん!!」
「名前で呼ばない!」
「痛いです、中尉!」
 
 もはやどちらが上官だか分からぬ私たちのやりとり。
 とてもとても不本意だが、これがだいたい現在の私の日常だ。……不本意ではあるが、まあ、おおむね満足している。
 
 もう暗闇を恐れることもなく、雨に幻想を見ることもないけれど。
 私はまだ彼と一緒にいて、彼と一緒に寝ているのだから。



END
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by netzeth | 2015-11-10 00:17 | Comments(0)

ひどいめにあった……

ぎっくり腰で撃沈しておりましたうめこです、こんばんは。本当に本当にひどいめ遭いました。何とかぎっくり腰の強烈な痛みそのものは引いて仕事に行ってますけど、慢性的な腰痛はそのまま。長時間座るのがつらいのでお話も書けないしストレスです。寝ながらだとケータイで書くしかないなあ。とりあえず椅子と机買いましたよ。そんで高額の高反発マットレスを買いそうですよ。腰痛がよくなるなら何でもしますよ!

エドはさ、もしもウィンリィちゃんが恋愛感情ナッシングの家族…兄弟みたいな感覚でいて、エドがそのつもりなのにウィンリィちゃんはそれはそれこれはこれ!の超サバサバ系で普通に恋人とか連れてきて「結婚してもエドの機械鎧の面倒は一生みるから安心してね☆」とか言われたらどうしたんだろう。だってさーサポートするからってイコール恋愛になるとは限らないよね。と考える日々。そして、これロイでもあてはまるんじゃね?と。

背中は護るし一生ついていくけどそれはそれこれはこれでリザたん普通に別の人と結婚しちゃうとか。「子供出来ても(別の男との)貴方の背中は私が護ります☆」とかね。エド&ロイは少しはそういう心配してガクブルすればいいよww というか二人にとってはホラーよりホラーだよ、絶叫だよww んで、これまで以上にウィン&リザたんに感謝すればいいよ。「俺&私を好きになってくれてありがとう!!」って抱き着けばいいんだよww


拍手ありがとうございます(^^)
大変励みにしております!

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by netzeth | 2015-11-04 23:21 | 日記 | Comments(0)