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みかーん

頂きもののみかんがいっぱいで毎日おみかん食べてますうめこです、こんばんは。朝起きたら食べてお弁当のデザートに持って行って帰って夕食後と寝る前に食べてる。ビタミンCが染みてる感あります。そういえば、職場の休憩所にもみかん山もりもり置いてあった(^^)手で剥けるのでお手軽に食べられていいですよね、みかん。家では平らな場所に新聞紙敷いてその上に等間隔に並べて保管してます。父上曰くこれが一番傷まない方法だとか?

絵が描きたくて水彩絵の具と筆を買いました。絵具はホルベインというメーカーの。筆はツイッターのフォロワーさんに教えていただいた水筆。でも買ってからだいぶ経つのですが、中々色塗りまで行程が進みませんwまず線画がなかなか完成しないという…



拍手ありがとうございます(^^)
沢山いただけて嬉しいです!
またブログコメントを下さったお方様ありがとうございました。お返事を書きましたのでよろしければ該当記事をご覧下さいませ。

以下続きから拍手コメント(12/19分)のお返事です。











続き
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by netzeth | 2016-12-20 01:30 | 日記 | Comments(0)

12月半分

ようやく12月半分くらい終わりました。こんばんはー。
今週は4日だと思えば、なんとか生きていけそうです。めっちゃ繁忙期なので死にそうになってますがロイアイがあるのでなんとか生きてますww

いよいよ本格的に冬の寒さ到来ですね。昨日から家にこもってんですが、寒くて寒くて。まともな暖房が部屋に無いせいだとは思うんですが、何してても寒い!ユニクロさんでエクストラウォームを超えるヒートテック、ウルトラが明日から発売と聞いて気になってます。今ノーマルとエクストラを重ね着してるんですが、ウルトラなら一枚で済んだりしないかな?脱ぎ着が楽だし、着ぶくれも防げるよね……と考えて、私が寒いのって足が冷えるからだと思い至る。つまり何とかすべきは靴下!!……履いてるだけで温まる靴下ないかな。冷えない、じゃ多分ダメです…自発的な暖かさでなく外部からの暖かさが欲しい…!!

実は1年ダイエットして成功してマイナス5㎏になったのですが、そのせいか夏は楽になって代わりに冬が去年より辛い気がします。……脂肪と等価交換した気分wwいえ、脂肪いらないんですけどね! ダイエットは引き続き頑張ってもうまたマイナス5㎏を目指します!
 
ちなみにダイエットでやったこと言えば、甘いお茶は止めて麦茶のんだ、腰痛用の体操を毎日した、間食をやめた、毎日半身浴をしたくらいです。ノースポーツ!で行けた! しかし、筋肉がついてないのですぐにリバウンドしてしまいそうですね(笑) 気をつけよ…(^_^;)

SS更新しました!季節もののお話です(^^)



拍手ありがとうございます!!
毎日ニヤニヤチェックしてます(笑)






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by netzeth | 2016-12-18 19:10 | 日記 | Comments(2)

真冬の通り雨

 乾いた路面が雨粒によってまだら模様になっていく。それは道路を黒く染め終えると、今度はあっという間に水たまりを作り宙に向かって跳ね上がる。
 慌てて通り沿いの店先に駆け込んだが、全身既にずぶ濡れ。特に足下がひどくお気に入りのパンプスは中まで水が染みてしまった。こんなことならばブーツを履いて来るんだったと、リザは詮無いことを後悔する。
 真冬にしては珍しい通り雨。雪にならないのが奇跡なほど寒いくせに、雨足はまるで真夏のそれのように強い。
 不意打ち。思ってもみなかった方向からの手痛い攻撃。予定不調和。いろんな言葉が思い浮かんで、最後に、まるでこの人みたい。と結論付ける。濡れた黒髪から水を滴らせ、隣で空を見上げている男。
「ひどいな……」
「ラジオの予報では雨だとは言っていなかったのですが」
「ふむ。自然の気まぐれなど所詮、人間の及ぶところではないんだろう」
 ――自然どころか、分からないのはこの人だ。
 なんの違和も感じていないかのように当然の顔でこうして隣に並んでいる。その横顔を見上げていると、リザの胸に棚上げされ続けている疑問が落ちてきた。
 仕事終わりに一緒に帰ろうと誘われるようになったのは、ごくごく最近のことだったろうか。……いや、もう数ヶ月は経っているかもしれない。感覚が麻痺してくるほどには、何度も帰路を共にしている。
 時には夕食の誘いを受け、そのまま仕事の愚痴を聞いてくれと酒の席まで。特に予定がなければ応じてきたが、時を重ねるほどに不可解さは満ちていく。
 だがリザは「どういうつもり?」の一言がずっと言えずにいる。答えなど決まっている。「特に意味はない――上司と部下の何の変哲もないコミュニケーションだ」そんな簡単なやりとりで終わるはずの会話を。分かっているはずなのに、言葉は喉に引っかかりいざとなると出てこない。こうして曖昧なまま持て余し続けている。
 だからといって。 
「寒いな……」
「この気温でびしょ濡れですから」
「そういう君は平然としてるな?」
「寒さには強い性分なので」
「羨ましいよ。……私は冬は苦手だな」
 この時間が不快かと問われればそうではなく。むしろ他愛ない会話を楽しんでいる自分がいた。
 通り雨に降られて雨宿りをして寒くて。人通りの無いストリートを二人で眺めている。震えながら白い息を吐き出して手を擦り合わせている彼――ロイは、とても東方を統括する軍司令部の司令官とは思えない情けない姿だ。副官として彼の体調を気遣うべきなのに、笑いの成分が勝ってしまってリザはくすりと口元をほころばせた。
「寒いようでしたら私のコートを着ますか?」
「馬鹿を言うな。それを言うなら私が君にコートをかけてやる状況だろうがっ」
 ロイは途端に鼻息荒く気色ばむ。憤慨する男の反応は予測済みだったので、はいはいそうですかとリザは受け流した。彼のことだから男の矜持が、とかまたつまらないことを考えているのだろう。
「ったく、だから冬は嫌なんだ……」
 格好がつかん、とロイがぶつぶつぼやく。無能に加えて憂鬱になられても困るので、ちらりと後ろに視線を走らせながらリザは話題を変えるように言った。
「冬は冬で良いことがありますよ。ほら、お店のショーウィンドウも冬の方が綺麗ですし……」
 雨宿りに借りている店は衣料品店らしく、暖かそうなファーをあしらったコートやウールのニットがトルソーに着せられている。マフラーや手袋には幾重にもリボンが巻かれて。きらびやかな電飾と雪の結晶を象ったディスプレイは心を躍らせるものがあった。
「私は好きですよ、冬も冬の服も」
「そうか?」
「基本厚着のファッションですから。好きな服を着られますし」
 はっとした顔をロイは見せ、その表情がわずかにかげる。だがリザは気づかなかった。
 リザにとってこれは特に意識した発言ではなかった。本当に何気ない、彼女にとっては足のサイズが規格外で欲しいデザインの靴のサイズがなかなか無い…その程度の軽い愚痴のようなものだった。どうしても薄着になる夏服では着られるデザインが限られてしまう。その背にあるもののために。だから、自由にデザインを選べる冬服が嬉しい……その程度の認識だ。
 しかし。
「……大佐!?」
 突然背後からぎゅっと抱きしめられて、リザは大きく動揺した。
 お互いにぶ厚いコート越しでびしょ濡れで冷たいはずなのに、背中がかっと熱かった。彼の黒髪が頬に触れて湿ったそれがくすぐったい。前に回され組み合わされた大きな手に視線が釘付けになって、ふりほどけない。
 何を。どういうつもりで。
 今こそその疑問をぶつける時なのに、やはり言葉は形にならなかった。ただ脈打つ心臓の音をひたすら聞く。送り出された血流が上半身に集まって、やがて頬を赤く染めていった。
「……私は今、決めた。誓った」
 声は耳元のごく近くで聞こえた。何を、と返したかったか喉に何かが詰まって出てこない。代わりにぱくぱくと口を動かす。
「……君にシティ中の冬服をプレゼントする。たまりにためた貯金が火を吹くぞ」
 ロイの決意とやらを聞き、ようやく身体が弛緩した。そこで初めてリザは自分がひどく緊張していたことに気づく。 
「何を馬鹿なことを。それは老後のためにとっておいて下さい」 
 ちゃんと呆れた声を出せたことに安心しながらようやく自分のペースを取り戻し、リザは彼の手の甲をつねった。
「あと、いい加減離れて下さいませんか」
「やだ」
「……貴方は子供ですか」
「君が私からのプレゼントを受け取ってくれなければ、嫌だ。手始めにこの店の服だ」
「ですから、確かに露出がない冬服は好きですが、別にそんなにたくさん欲しいなんて一言も……」
 その瞬間己を抱きしめる手に力がこもる。ぎゅっと苦しいくらいにリザをその腕の中に閉じこめた男の表情は見えない。だが、どんな顔をしているかようやくリザは見えた気がした。
「……本当に何もいりませんよ」
「だが、寒いだろう?」
「……こうして、私を気遣って背中を暖めて下さる優しい方がいますから」
 そっと手をロイのそれに触れさせた。ひんやりと冷たいそれはきっとその心に反比例しているのだろう。その気持ちだけでリザは十分だった。
「だがね、君がお洒落を楽しめるというのなら私も嬉しい。遠慮するな」
 しかし、ロイは食い下がる。……根深い思いはそう簡単には消せないらしい。無理もないが、彼にそんな思いを持たせるのはリザの本意ではなかったので。少しでも軽くその一助になるのならと提案してみる。
「……では、甘えてよいとおっしゃるならば、僭越ながら毛糸を」
「毛糸?」 
「ええ、久しぶりに編みたいと」
 毛糸ならばそれほど高価でもなく、更に自分の物以外も作ることが可能だ。リザもロイに対して変に申し訳なく思わなくて済む。
「服を普通に買うよりも、そちらの方が楽しみです」
「君らしいな」
 少し呆れながらけれど口調はとても暖かく、ロイが笑うのを感じ取ってリザもほっとする。それから思い出したようにもう一度彼の手をつねってやった。
「それよりも。いい加減離して下さいませんか」
 今度は慌てたようにして、ロイは離れてくれる。そして再びリザの隣に並んだ。
「ああっ、すまん」 
 いくら背中のことがあるからと言って、いきなり抱きつくのは少々やり過ぎではないだろうか。幸い大雨で人目が無かったが、誰かに見られたらあらぬ誤解をされるかもしれない。ロイ・マスタング大佐ともあろう者が迂闊に過ぎる。
 ……そういうことはデート相手の女性にすればいい。
 デートに赴く時の鼻の下の伸びたニヤケ顔を思い出せば、ふつふつと胸の奥に沸き出すものがあった。それは勢いに任せてずっと胸の中でわだかまり続けていた疑問をついに押し出す。
「まったく。大佐はいつもいつもどういうつもりなんですか。部下と一緒に帰ったり、食事したり、こんな風に抱きついたりして」
 どういうつもり。ついにぶつけた疑問は、予測通りあっさり返答されるとばかり思っていたのに。
「……大佐!?」 
 その瞬間、ロイはその場にへたりこんでしまった。文字通りへなへなと。予想外の展開にリザは驚き、もしや寒さで体調が悪くなったのかと急ぎしゃがみ込んで、彼の様子を伺う。
「大丈夫ですか!? ご気分が悪いなら、早く……!」
「……違う」
「え?」
「そうではなくてだな……」
「なんですか?」
「自己反省だ」
「え……」
「……まだ私の真意が伝わってないとしたら、それは私の不徳の致すところだとな」
「どういうい、み……あっ」
 言葉は最後まで紡げなかった。ひょいと手首を捕まれて引き寄せられたからだ。不安定な体勢では踏ん張ることも出来ず、身体はロイの方へと倒れ込む。リザを受け止めたのは、手とは裏腹に熱い彼の唇だった。
 混乱が脳裏に渦巻いて、けれどどこか冷静な部分がキスされていると状況分析をする。初めて触れる他人の唇は思ったよりも柔らかく、不思議な感触をしていた。自分で自分のそれに触れるのとは明らかに違う。
「……!」
 離れなければ反射的に後ろに首を反らそうとして、ぐいっと頭の後ろを押さえ込まれる。口づけは唇を押しつけ合うものから、より深いものへと変わっていく。奪われ続けている呼吸が、苦しい。酸素が欠乏し出して意識がぼんやりとしてくる。
 もっとこのまま……。
 そんな風に思考が傾き始めた頃合いで、ようやく解放された。
「あ……」
「……そんな顔をするのは止めたまえ」
「……ど、どんな顔をしているって言うんですか」
 乱れた髪を手櫛で整えながら、強い口調で反論する。だが、効果的とは思えない。おそらく顔中を朱に染めている自分では。
「そういう物欲しそうな顔だよ」
 くくくっと笑いながら、立ち上がった男がリザに手を差し出す。その手を取って立ち上がれば、がくんっと膝が折れた。
「おっと。……キスだけで?」
「知りません!!」
 腰を支えられてもたれ掛かっていては迫力不足で。どんな言葉も涼しい顔で受け止められる。まさかこれがどういうつもり。の答えだとしたら。滑稽なのは、自分の方ではないか。
 リザは唇を噛んだ。
 答えを知りたかったのに、知りたくないような気がしたのは無意識にこの可能性を想定していたからかもしれない。
 まったくとんだ真冬の通り雨だ。リザは心中で毒づいた。
 そのせいで、先延ばしにしていた答えを突きつけられてしまった。……知ってしまったからには、もう、誤魔化せない。
「どうしたね? 中尉」
 見上げれば一人満足げな顔をした男。 
 ペースを乱されるのは悔しく、イニシアチブを握られるのも面白くない。仕事ならばいくらでも譲るが、プライベートまでそうである必要もない。
 だから。
「……セーター」
「ん?」
「大佐にも編もうと思ってたんですけど、他の男にします」
「何だと? そこは改めて私になところじゃないのか!? この状況で一体誰に編むつもりかね!?」
「もう決めました」
「なんでそうなる!?」
「約束ですから、ちゃんと毛糸買って下さいね」
「おいっ! 中尉!……もしかして、キスよくなかったとか?」
「知りません!!」
「中尉、……中尉!!」
「聞こえません」
 慌てふためくロイの胸に顔を埋め、笑ってしまっている口元を必死に隠しながら、リザはさて愛犬に似合う色は何色だろうかと思案するのだった。



END
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by netzeth | 2016-12-18 18:51 | Comments(0)

夜明けの36.8℃

「ホットビール……」「熱々のグラタン……」「熱々のビーフシチュー……」「シェパーズパイ……」熱湯シャワー……」「ふかふかベッド……」「美女の谷間……」「中尉の谷間……」「美女の膝枕……」「中尉の太もも……」
「あの、セクハラ発言混ぜるのやめてくれません?」
「欲望くらいありのまま吐き出させろ」
「そんなの中尉に直接言って下さいよ」
「言えるか」
「うっわ腰抜けー」
「お前を熱々にしてやろうか……」
「おーこわっ」
 これ見よがしに発火布を手にはめてやるが、ハボックは涼しい顔をしている。しとしと降る冷たい雨が余裕の理由だろう。湿気たマッチに火がつく訳がないと高をくくっているのだ。
 この錬成陣の真価は火を出すだけではないが、とりあえず前髪を焦がす脅しは使えない。忌々しいことこの上なく、代わりに私は奴の頭を後ろからはたいてやった。
「いてっ……もう、自分がヘタレだからって俺に八つ当たりはやめて下さいよー」
「うるさい。上官の檄だ感謝しろ。眠気と空腹を紛らわしてやったんだ」
「こんな状況で進展なし。そんなんじゃ全然紛れないッスよ……」
 ハボックはうんざりした様子で前方を見上げあ~あ、とため息をついた。それには心底同意だったので、それ以上の不敬は追求せず同じく奴の視線を追って顔を上げる。
 イーストシティの高級住宅街にある住居。その一室を東方司令部の兵で包囲している。目の前では部下の一人が拡声器を持って絶賛説得中である。
「あーバカなことは止めて投降しろー! 今ならまだ間に合うー! おかーさんも泣いてるぞー!」
 その特にひねりもない定番の文句を聞きながら、ハボックがぼそりと呟く。
「泣きたいのはこっちだっつーの」
「だな」
 腹の虫が鳴き瞼が今にも落ちてきそうなのを宥めながら、頷く。深夜のスクランブルにこの荒天、しかも長期戦覚悟の立てこもり事件。幸いなことに人質は自力で逃れたが、自暴自棄になった容疑者が銃を振り回している状況だ。周囲一帯の住民の避難は完了し後は急襲部隊を突入させて詰めだったが、うるさいお偉方がセントラルから来ていたせいで許されず、慎重にことを運べと命令を受けた。おまけに指揮官は前線に出るべきだというご立派な持論を振りかざされて、私まで駆り出される始末。現場に出るのは本望であり、それに異論はないが、ハボック以下私の部下達は露骨に迷惑そうな顔をしていた。
 特に、顔には出さなかったが不服そうにしていたのはホークアイ中尉だ。
「いいですか。現場に行ったという事実さえあれば上は納得するんです。調子に乗ってほいほい前に出て行っちゃダメですからね。大人しく後方待機していて下さい、雨の日は無能なんですから」
「分かってるよ……」
 デスクワークの方も締め切りが迫っていて同行出来なかった彼女は、何度も何度も私に念を押してきた。私は子供か。その美しい顔を思い出しながら、ため息を吐く。
「眠いなら車の中で寝てていいですよ、大佐。書類に追われてずっとろくに寝てないんでしょ。進展あったら呼びますから」
 何を勘違いしたのかハボックが珍しく優しい言葉をかけてきたが、私はいいと首を振った。
「そういう訳にはいかん」
「お、責任感ありますね。大佐らしくない。休める時に休んでおかないと」
「……違う。別にこの事件にそれほどの責任など持っていない。ただな、中尉は今も司令部で起きてるんだ。私が寝る訳にはいかんだろう」
「……さいで。さっきのセクハラより効くわ、このノロケ」
「何だって?」
「なんでもないッスよ」
 それっきり我々は沈黙した。
 冬の始めに降る冷たい雨は、容赦なく全身を濡らしていく。徐々に重みを帯びていくコートが疲れを加速させて、意識が朦朧とする。
 ――結局事件が解決を見たのは、夜が明けた時分だった。





 
 徹夜明けの朝日は目に染みる。まして、ここ数日ろくな睡眠を取っていない身体にはきつい。手足は鉛のように重いが、書類の締め切りは待ってはくれない。事件の後始末は部下に任せて急ぎ東方司令部に戻った私は、優雅に仮眠を取っていたお偉方に事件解決の報告をし、そのまま身体を引きずるようにして己の執務室へと直行した。
「お帰りなさいませ、大佐。お疲れさまでした」
 折り目正しい敬礼で私を迎えた中尉はいつも通りに見えた。しかし、目が赤いのを私は見逃さない。予想通り寝ていないのだろう。
「いや、大したことはない。それよりも続きをやるぞ」
「少し仮眠を取られた方が……」
 私を気遣う中尉だが、書類を終わらせないことには彼女が休めない。だったら多少辛くとももう少し踏ん張るしかあるまい。
「いや、いい」 
「ですが、その方が仕事の効率も上がりますよ?」
 いつも手厳しく仕事を急かす彼女だが、今日ばかりはやけに甘い。……どうやら私はよほどひどい顔をしているらしい。身体が疲弊していれば、精神もつられる。疲れた精神と身体に彼女は眩しかった。
 いつもかわいいが、今朝はとくにかわいい気がする。私を心配しているのも、それを表面上は気取られまいとしているのもかわいい。
 少し目が赤いのも……あーうさぎさんみたいだなーちゅーいがうさぎさんだったらかわいいなー長くて白いふかふかの耳があって…ぴょんぴょんぴょん……
「ぴょん…」
「え?」
 まずい、口に出していた。とっくに限界値を越えているせいで、理性フィルターがバカになっている。油断すると脳がお花畑に旅立ち、このまま危うい妄想を垂れ流してしまいそうだ。いや、妄想を垂れ流すくらいならばまだいい。問題は妄想を、普段は堅く堅く心の奥底に閉じこめている欲望を、解放してしまいそうだということだ。まるで壊れた蛇口のように、必死に元栓を閉めてもあふれ出す。
「どうしました?」
 謎の言葉を発した上司を彼女は不思議そうに小首を傾げて見上げている。無垢な紅茶色の瞳に自分が映っているのを確認してしまって、慌てて目を逸らした。
「な、なんでもない! それよりも書類だ。早く片づけて思う存分寝る方がいい」
「そうですか、分かりました。後は大佐に目を通していただくだけになっております」
「ああ、ありがとう」
 ようやく納得したのか中尉が引き下がってくれてホッとした。このまま私の心配をし私しか見ていない彼女を見ていたらば、あの現場で夢見ていたことを無理矢理にでも実行してしまいそうだった。
 すがりついて、癒してくれと。柔らかい胸元に顔を埋め、膝の上で眠りたいと。
 しかし、まだ私は上司としての顔で彼女の前に立っていたい。こんな時間こんな場所で理性の針を振り切る訳にはいかない。
 指し示されたデスク上には、丁寧により分けられた書類の束が見える。彼女が夜を徹して精査してくれたのだろう。他ならぬ私のために。その献身が私に馬鹿な期待を持たせ、誤解を生むのだ。
 勘違いするな、馬鹿者。
 絞りかすのような理性で自分を殴り、意識を仕事へと向けた。余計なことは考えずただひたすら機械のように手を動かし、ペンを握り、サインするんだ。
「あ、お待ち下さい」
「ん?」
 と、足を踏み出しかけた私を中尉が呼び止める。反射的に振り返れば、思ったよりも間近に彼女の顔があった。……何故か少し怒っている。
「なんだ?」
「なんだ? ではありません。もうっ、ちゃんと頭を拭きました?」
 言われるままに髪に手をやれば、黒髪はしっとりと湿っている。戻った時にタオルで適当に拭って……そのままだ。タイミング良く、いや、悪く…か? つーっと毛先から水滴が顔の表面を流れ落ちていく。
「ほら、全然まだ濡れてますよ。それでは風邪を引いてしまいますし、書類も濡らしてしまいます」
「あ、ああ……」
 私にとって髪が濡れていることはたいしたことではなかったので、ついつい優先順位が下になっていたが、中尉にとっては許せないことらしい。確かに書類が濡れるのは困るので私は大人しく彼女に従った。
「分かった。ちゃんと拭いてから……わっぷ」
「ほら、じっとしていて下さい」
 どこから持ってきたのか、いや準備のいい彼女のことだから既に用意していたのか。ほわほわ柔らかいタオルを頭からかぶせられた。まずは顔をそれから髪の毛をわしゃわしゃされる。
 優しい手つきだった。自分でするのとも、昔親友にやられたのとも違う、感触。強いて言うなら遠い記憶の中にある、母のような……。うっとりと酩酊したように意識が持って行かれそうになる。またしても危険なシグナルを感じ取って、慌てて彼女に訴えた。
「いいっ、中尉、いいから! 自分でやる!」
「ダメです。大佐が自分でおやりになってそれなんですから。……もう、本当にこういうところはだらしない……」
「おわっ」
 ぐいっとタオルの上から押さえ込まれて、頭が下がる。低い位置に持ってきてますます中尉はテキパキと髪を拭いている。しかし私はたまったものではなかった。厚い軍服に覆われていて見えはしないが、豊かな胸が目の前にあるのだから。 
 ……コレ、モウココニトビコンデイイダロウカ? 
 夢に見たタニマクラが目と鼻の先にある。理性への挑戦か。試されているのか。
「はい、終わりました」
「あ、うん……」
 そんなことをぐるぐると考え込んでいる間に中尉は作業を終え、ついでに手櫛で私の髪を整えてしまった。頬と額に手のひらが触れる。いつもは低いそれが今は子供のように体温が高い。やは彼女も眠気を我慢しているらしい。突き上げる衝動が私をけしかける。……下手に動くと危険だと本能で感じ私はされるがままになっていた。
「気をつけて下さいね。こんな格好でうろうろしては侮られますよ」
「もう中央の客人にこれで挨拶してきたが」
 幸いしっかり現場の最前線に出ていたと強く印象付けられて、相手方には好印象だったようだ。
「……ではこれからは気をつけて下さい」
 ふうっと小さく息を吐き出して、それから中尉はふっと微笑む。ああ、そんな顔をしないでくれ。思わず伸びそうになる手をぎゅっと握り込んで耐えた。代わりに軽口を叩くことで、この行き場の無い激情を受け流そうとする。
「だがね、水も滴るいい男だったろう?」
 これで呆れた彼女の鋭い舌鋒に心折れて、それでいつも通りに戻れるはずだった。……のに。
「ええ、はい。そうですね……黒髪が艶々していて…」
 素直にこくんと頷かれてしまった。
 ……どうやら、寝不足で理性の箍が弛んでいたのは私だけではなかったらしい。
「君……ほっっっっっっとに、むり……」
 これまで必死に頑張ってきた私の理性をどうしてくれるんだ。こんなギリギリの状態で素直になるなんて、どういう嫌がらせだね!?
「……え、大佐? どうされましたか、大佐? ご気分が悪いのですか? でしたらやっぱり先に仮眠室の方へ……それともお腹が空いて? 大佐、大佐?」
 わっと顔を覆ってしゃがみ込んだ私の頭頂部に、珍しく焦った中尉の声が絶え間なく降ってくる。
 食べたいのは君だ。
 万全の体調と体勢になったら覚えていろよ、と今度こそ私は心に誓うのだった。


 

END
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by netzeth | 2016-12-11 13:36 | Comments(0)