うめ屋
「ねえ、あんたって昔からその赤いピアスしてるわよね。たまには気分転換に別のとかしないの?」
多分深い意味はないとは思う親友の何気ない一言だったが、私は返事に窮した。
そんな私にかまわず親友は先を続ける。
「あ、もしかして高級な石なの?・・・誰かからのプレゼントとか?」
「まさか・・ただの安物よ。自分で買った、ね」
「何よ。つまらない」
おおげさに肩を竦めた親友に笑って、私はそっと耳のピアスに触れた。
「そのピアス、大事な物なのか?」
ふとした仕事の合間に、サボり癖のある上官が話しかけてきた。
そんな事より仕事をして下さいと睨めば、小休憩だよと言い訳される。
「何故ですか?」
「いや・・カタリナ准尉と話していただろう?・・・少し気になってね」
あの会話、聞かれていたのか。まったく耳聡いものだと呆れる。
「初めて自分で買ったものなので。思い入れはありますが・・それだけですよ」
なるべく普通に返事をしたつもりだったが、私の口調に何かを感じとったらしい中佐は更に突っ込んで来る。
「本当に?」
しつこい。
あああっもうっ。
貴方を想って買ったピアスです――なんて口が裂けたって言えるもんですかっ。
多分深い意味はないとは思う親友の何気ない一言だったが、私は返事に窮した。
そんな私にかまわず親友は先を続ける。
「あ、もしかして高級な石なの?・・・誰かからのプレゼントとか?」
「まさか・・ただの安物よ。自分で買った、ね」
「何よ。つまらない」
おおげさに肩を竦めた親友に笑って、私はそっと耳のピアスに触れた。
「そのピアス、大事な物なのか?」
ふとした仕事の合間に、サボり癖のある上官が話しかけてきた。
そんな事より仕事をして下さいと睨めば、小休憩だよと言い訳される。
「何故ですか?」
「いや・・カタリナ准尉と話していただろう?・・・少し気になってね」
あの会話、聞かれていたのか。まったく耳聡いものだと呆れる。
「初めて自分で買ったものなので。思い入れはありますが・・それだけですよ」
なるべく普通に返事をしたつもりだったが、私の口調に何かを感じとったらしい中佐は更に突っ込んで来る。
「本当に?」
しつこい。
あああっもうっ。
貴方を想って買ったピアスです――なんて口が裂けたって言えるもんですかっ。
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by netzeth
| 2010-06-07 15:13